隠し事は出来ません！【twst】

隠し事9個目 ページ11

未だフロイドの手から逃れられない頭にパン
を運ぶ。そろそろ離して欲しい。

「あ〜、クマノミちゃん。それ、俺にも一口ぃ。」
『えっ。』
「早くぅ。」

私のジャムパンに気付いたフロイドが、口を
開けて早くと強請る。ジャムパンを与えなけ
れば、私の頭を噛み砕くと脅されそうだ。
渋々、ジャムパンをフロイドの口に運ぶ。

「……うん、甘ぁ。」
『ジャムパンだからね。』

…私のジャムパン…。フロイドの一口は大き
く、ちびちび食べてたのに、私の二口分位は
なくなった。
落胆していると、左肩を叩かれる。まさか。

「僕にも一口戴けますか？」
『…フロイドにもあげたからね。はい。』

そうだね。差別は宜しくない。宜しくないの
で、ぐぐ、と最大限腕を後ろに回してジャム
パンをジェイドの方に向けた。

「……甘いですね。」
『ジャムパンだからね。』

ジェイドの一口もそこそこ大きかった。もう
私の大きな一口分位しかなかったので、ひと
思いに口に入れてしまった。うん、甘い。
急に飽きたのかフロイドは顎を離していたの
で前を向いて、普通の食事を再開した。

「じゃあね〜、クマノミちゃん。」
「失礼します、事務員さん。」
『はいよ。午後も頑張ってね。』

少しすると、2人はご飯を食べ終わったらしく
仲良く去っていった。時計を見るともう昼休み
は終わりそうだ。急いで残りを食べる事にした。

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