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『あっ、あのっ』
「何ー？」
振り返った女の子は声をかけたのが私だとわかると
息をのんだ。
『美術の、似顔絵、一緒に、組んでもらっても、、いいですか？』
間違えないように一つ一つ丁寧に言った。
「あー、いいよ。私も美術得意じゃないし。頑張ろうね」
笑顔を作ってこちらに向けてくれる。
(今回こそ、大丈夫だ。なるべく、明るく)
「じゃあ作ってもらったペアで進めてください」
先生の話がひとしきり終わって似顔絵に入る。
向かい合って話しながらお互いに鉛筆を走らせる。
「ねぇ、ちょっとさ、愚痴ってもいい？」
ペアの女の子、田中さんは唐突に言った。
『は、い』
「あのさ、三組に鈴木加奈子っていんだけど、
ほんとにうざくて、きもいんだけど」
『、、、』
「あ、もしかして加奈子と友達だった？」
『い、いえ、、、』
「そうだよねぇ、高瀬さんって友達、要らなそうだもん」
あはは、と笑いながらさらっと言った。
『そんな、こと、ないです、、』
「そっかぁ。でさ、この間加奈子とカラオケ行ったの。
アニソンばっか歌うから「オタクなの？」って聞いたら
怒り始めて、熱弁しだしたの。
まじうぜぇし、キモ過ぎ」
『そんな、こと、無いよ？』
「は？」
あぁ、またやってしまった。
「何、加奈子の味方すんの？」
『そう、じゃなくて』
「はぁ？ちゃんと言いなよ」
『あの、趣味は自由で、良いんじゃない、かなって、、、』
慌てて弁解してももう遅い。
「私に説教すんの？何、まじうざいんですけど。
陰キャのくせにエラソーに」
田中さんはすっかり私をうざい人認定してしまった。
どうしても人の愚痴が怖くてこう言ってしまう。
だから私には友達が出来ない。
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暇 - ホワイトティーさん» ありがとうございます！嬉しいです、頑張りまする (2019年9月27日 17時) (
レス) id: 792e13e06c (このIDを非表示/違反報告)
ホワイトティー - 初見です！内容がめっちゃ好きです！！これからも楽しみに読ませてもらいますね！ (2019年9月27日 1時) (レス) id: d142de45b5 (このIDを非表示/違反報告)
暇 - ふむさん» ありがとうございます。気を付けます。アドバイス、ありがとうございます (2019年9月16日 8時) (レス) id: 792e13e06c (このIDを非表示/違反報告)
ふむ - 文を改行してくれると読みやすいと思います。 (2019年9月16日 0時) (レス) id: 16fda0fde4 (このIDを非表示/違反報告)
暇 - かなとさん» ごめんなさい、気づきませんでした。ご指摘、ありがとうございます。これからもお願いします。 (2019年9月15日 22時) (レス) id: 792e13e06c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暇な洋介 | 作成日時：2019年9月14日 20時
