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『バインダーで叩かなくたって良いじゃん……』
「奇声を発した貴様が悪い」
スネイプ先生の貴重なデレを見てホグワーツ中に響きそうな奇声を発した私は直後どこからか現れたバインダーで頭を引っ叩かれ、ベッドの上で正座をさせられている。
うう、久々の正座めちゃ足痺れる、それに今更だけど折れた肋骨がじんじんして痛い。
「痛むのか」
『まぁ、ちょっと』
正座をしながら苦い顔で肋をさすっていた私を見かねた先生が問いかけてくる。
「骨生え薬は……使うべきでは無いな、折れているだけなのに飲めば余計な骨が生えてくる」
ちょっとまって今何気にやばい発言しなかった先生?
いやでもそうか、骨生え薬だもんな、骨生えてくるんだもんな、てか骨をそんな簡単に生やせちゃう魔法薬怖すぎだろ。
ぐるぐると余計な事を考えてる私をよそにスネイプ先生は懐から杖を取り出すと、その先端をトン、と私の肋に触れさせた。
『え、』
「動くな」
有無を言わさぬ口調だった。
言われた通り動かないでいると先生は静かに目を閉じ、息を吸う。
「ブラキアム・エンメンドー」
まるで祈りを捧げているかのような詠唱だった。
普段の重苦しい口調と声音を一切感じさせない穏やかなそれは私の意識を奪うには充分なものすぎて、杖の先端から温かな空気のようなものが私の肋骨に流れて行くことに気付くことすら出来なかった。
「終わったぞ」
『はぇ』
言われて自分の肋を服の上から見下ろす。
試しに身体を捻ってみたり動かしてみたり、少し叩いてみたりするが痛みは一切無かった。
『わ、治ってる』
どこぞのロックハートとは大違いと思ったのはここだけの秘密。
「これに懲りたらもう余計な事には首を突っ込まない事ですな。言っても聞きはしないだろうが」
まったく、と言いたげに溜息を吐きながら杖を懐にしまう先生をぼーっと眺めていると、先生がこちらを不審そうに睨む。
「なんだ」
『さっきの先生、すっごい綺麗でした。詠唱の声音といい表情といい、魔力で髪が少しふわって浮いてたのも、本当に、本当に綺麗でした』
ニコニコと思った事を一息で伝えると先生は一瞬ぽかんと可愛らしい顔を見せてくれたが、言葉を咀嚼し理解して行くうちにその可愛らしかった顔はどんどんくしゃくしゃに歪められて真っ赤になっていって
「っ、戯言を吐けるほど元気になったのならとっとと医務室から出て行けこの馬鹿者が!!!!」
『アーッ!!!!』
私はウィンガーディアム・レビオーサでお見舞いのお菓子の山ごと医務室の外に放り出された。
先生、流石にそれはひどいんじゃない?
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夢川(プロフ) - とーるさん» コメントありがとうございます。淫夢、くそみそネタに気づいてくれた方がいる事実にニコニコしている夢川です。亀更新になりますがこれからも淫夢やくそみそネタを突っ込むので、生暖かい目で見守ってくれたら嬉しいです。 (5月7日 18時) (
レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
とーる(プロフ) - 主人公がすごく幸せそうで微笑ましいですね。この作品に巡り会えて本当に良かったです。ところで、作品の節々に淫夢、クソみそネタが見られるのですが、すごく好きなので嬉しいです。知らないなら、淫夢とかクソみそについては調べないでください。汚れてしまいます。 (5月7日 9時) (レス) @page38 id: 8f3ff0fe85 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年3月27日 17時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - リンさん» コメントありがとうございます、とても健康的な生活ができていますね! 本番が程よく執筆できたら短編集も作成していきます! (2023年3月25日 22時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - ももなさん» コメントと応援ありがとうございます、短編集も本編が程よく執筆できたら作成しようと思います! (2023年3月25日 22時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢川 | 作成日時：2023年3月24日 7時
