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「生徒、しかも新入生に拷問の呪文を掛けるなんて、闇の魔法使いには人の心というものがないのですか!!」
「人の心を失くしてしまったから彼等は闇へと落ちてしまったのじゃ。それに、彼等が幼い子供に禁じられた呪文を使うのはこれが初めてではない」
「それでも!! フォーリーがあまりにも可哀想です」
まるで自分の子供が傷付けられたかのようにマダムポンフリーは憤り、ダンブルドアがそれを静かに宥めるのを私は黙って見ていた。
確かにダンブルドアの言う通りだった、彼等は目的の為であれば手段を厭わない。
闇の勢力に利益をもたらす純血一族を誘い込む為見せしめに子供に闇の魔術を使う事など多々あったし、そんな場面を私は嫌と言うほど見てきた。
子供の喉が悲鳴をあげすぎるあまり潰れてしまうのも見た。
「セブルス」
「……はい」
薄暗い記憶に浸っているとダンブルドアに呼び掛けられ顔を上げる。
「わしらは少し席を外す、暫くここを頼まれてくれんかの」
「わかりました」
憤りの余り涙をこぼしているマダムポンフリーの肩に手を添えながらダンブルドア達は医務室を出て行く。
静寂が耳を貫いた。
……ベッドのそばに置いてある椅子には座る気になれず、まるで幽霊のように立ち尽くしてフォーリーの顔を見下ろす。
子供の表情には先程の苦悶の様子は見られない、よく眠れているようだった。
……どれほどそうしていたのだろう、ぴくりと震えた瞼の奥から霞んだアースアイがゆっくりと姿を見せる。
『スネイプ、先生……』
「起きたか」
何故ここにいると言いたげに寄せられた眉に、薬品の補充に来てそのままこの場を任されたと最もらしい嘘を吐く。
それに納得したらしいフォーリーははぇーとよくわからん声を上げた後、突然表情を変えずにぼろぼろと大粒の涙を大量にこぼし始めた。
「……何故泣く」
『はぇ』
……どうやら自分が泣いている事にすら気付いていなかったフォーリーはぐしぐしと目元を乱雑に拭い、手に付いた涙をまるで初めて見た物のように見つめる。
そのままゆっくりとフォーリーの表情は歪んでいき、ひく、ひく、としゃくりあげ始めた。
『ぅ、うぇ、ゔぇえーん……怖かったよぉお』
今までその外見には似合わない大人びた表情や言動を見せ続けて来たフォーリーが、ここで初めてその年に釣り合う表情を見せた。
……今まで何度も子供が泣く光景は見てきたし、それを私はただ無感情に見ていた。
なのに何故だろう、この子供が泣くのは余り好ましくなかった。
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夢川(プロフ) - とーるさん» コメントありがとうございます。淫夢、くそみそネタに気づいてくれた方がいる事実にニコニコしている夢川です。亀更新になりますがこれからも淫夢やくそみそネタを突っ込むので、生暖かい目で見守ってくれたら嬉しいです。 (5月7日 18時) (
レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
とーる(プロフ) - 主人公がすごく幸せそうで微笑ましいですね。この作品に巡り会えて本当に良かったです。ところで、作品の節々に淫夢、クソみそネタが見られるのですが、すごく好きなので嬉しいです。知らないなら、淫夢とかクソみそについては調べないでください。汚れてしまいます。 (5月7日 9時) (レス) @page38 id: 8f3ff0fe85 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年3月27日 17時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - リンさん» コメントありがとうございます、とても健康的な生活ができていますね! 本番が程よく執筆できたら短編集も作成していきます! (2023年3月25日 22時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - ももなさん» コメントと応援ありがとうございます、短編集も本編が程よく執筆できたら作成しようと思います! (2023年3月25日 22時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢川 | 作成日時：2023年3月24日 7時
