11、触れない銃 ページ11
｢過去、銃を撃つ実践を踏ませられたんです。何度も何度も。…でもね、私。結局、銃を1度も " 触れなかった " んですよ。…笑えるでしょう？｣
撃てなかった、でも、当たらなかった、でも、外した、でもない。
…触ることすら出来なかったの。…バカみたいでしょう？
｢拳銃を構えて。トリガーに指をかけて、引く。…ただそれだけの単純な行為で、銃口から小さな鉛玉が出て……それが、人間の身体を貫くほどの威力を持つんですよ。｣
｢…｣
｢当たり所によっては一発で人を、殺せる。そうでしょう？｣
普段から銃を扱うことがあるだろう2人に問いかければ、頷いて答えてくれる。
｢あぁ。そう、だな｣
｢…うん。……私ね…想像しただけで、本当に怖かった。手が震えて、目の前がグラグラして。息が苦しくなって。……それで結局、銃を触れもしなかった。いくら脅されても、無理やり握らされそうになっても。出来ないものは、出来ないんですよね｣
｢…A｣
｢ふふ。ジンさんには『テメェ…本当にあの2人のガキか？殺すぞ』って何度も銃口向けられました｣
出来るだけ、重くならないように。笑いながら話せば、真剣な表情をしたスコッチさんが私の手を握る。
温かくて…2人の気持ちが、優しくて。胸がキュッとした。
｢A。辛い話をさせてごめん。無理して笑わなくていい｣
｢…組織の人達が私に文句を言いたくなる気持ち、よく分かるんですよ。分かるから、やるせなくて……でも、わたし。どうしても、誰かを傷つけたくない。血なんて、見たくない…ですよ｣
少しずつ日が沈んでいく。
海の色もオレンジ色へと変わっていって、それをぼんやりと眺めていた。
そっと背中を撫でてくれるバーボンさんが、静かに口を開く。
｢組織を出たい…と思ったことは…？｣
｢んー？そりゃあね？…出られるなら。今すぐにでも…｣
そんな事、毎日思っていますよ。
｢私、ほんとーーーっに犯罪組織向いてないな〜って…昔から思ってますので！｣
｢そうか｣
｢ふふ、はい。…でもね。叶わない夢を見たって、悲しいだけですから。…せめて、楽にこの世界から消えたいです。わたし｣
『消えたい』のワードを聞いた瞬間、バーボンさんに額を弾かれた。痛い。
…前に " 居なくならない " って約束しましたもんね。
ごめんね。
｢今の話、他の人に聞かれたら…私、殺されますね｣
｢俺たちは言わないよ。何があっても、絶対に｣
｢…はい。信じてます。……おふたりのこと。｣
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re(プロフ) - 名無しさんさん» 最後までお付き合い頂き、ありがとうございます！組織にいるけど、ポンコツで普通の感覚を持ち合わせた夢主ちゃん…を書きたかったので、そう言って頂けてとっても幸せです…。こちらこそ、ありがとうございました！ (2月16日 15時) (
レス) id: 279b226ddd (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - とても読みやすくて面白かったです。夢主ちゃんのスタンスが特に良かったというか…素敵な作品をありがとうございました。 (2月16日 12時) (レス) @page18 id: a15072a8ff (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 朔夜さん» 最後までお付き合いくださってありがとうございました！楽しんで頂けたようで、すごく嬉しいです！(*^^*) (2月10日 8時) (レス) id: 279b226ddd (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - とっても面白かったです！！ (2月9日 18時) (レス) @page18 id: c1146de32e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：re
| 作成日時：2025年2月6日 8時
