60、お人好し ページ18
ーー
｢はぁ…｣
｢お。朝っぱらからため息か？随分とお疲れだなぁ、缶詰めの刑事さん？｣
ガチガチに固まった身体を大きく伸ばしながらため息をついた直後、背後から声が聞こえて振り返る。
｢あー、班長…おつかれ〜｣
『おう、お疲れさん！』と笑った彼は、隣の椅子にドカッと腰かけた。
｢何かあったのか？A｣
｢ん〜…べつに…｣
曖昧な返事をしながら、すっかり空になったタンブラーに視線をやる。
どうせ、私が1人で缶詰めになってることを降谷に伝えたのは班長だろうし……
" 何かあったか？ " なんて白々しく聞かれて、ほ〜んのちょっと悔しい気持ち。
昨日…いや。
日付が変わっていたから今日の夜中…
降谷の代わりにコーヒーを届けてくれた諸伏と話をして。とんでもない事を知って、情けなく泣いた夜。
正直まだ頭は混乱しているし、気持ちの整理だってついてない。
彼から聞いた内容の全て、現実味がない…というか。
夢でも見ている気分のまま、諸伏が帰った後はひたすら仕事に没頭。そしていつの間にか朝を迎えていて…
この状況。
｢はぁ…班長も色々知ってたんでしょ？…… " 私達のこと " ｣
｢ん？まぁな｣
周りに聞こえないよう小さく呟けば、彼は何でもないように頷く。
班長も、ほんと…良い奴だねぇ。
｢今まで、そっと見守っててくれてありがと…｣
パソコンの電源を落としながらポツリと呟けば、一瞬驚いたような表情をした班長が嬉しそうに笑った。
｢それと…これも。…ほんとにありがとね｣
降谷のタンブラーを大切に両手で包んで、軽く頭を下げる。
仕事で疲れきっている時、あいつのコーヒーに何度助けられたか分からない。
…今日も、すごく美味しかったよ。
自然と頬を緩めていたら、大きな手が私の頭をポンポンと撫でた。
｢仕事終わったんなら早く帰って休めよ｣
｢ん｣
席を立って班長に挨拶をした所で、カバンからメッセージの受信音。
オフィスを出て画面を確認すれば、相手は松田で。
(…珍しいな)
ー ハギがお前に会いてぇって泣いてるぞ。
｢…｣
萩原…。
その名前を見ただけで。
ほんの少し、涙が滲みかけた。
あいつ…降谷が私のことを好きだって、知ってたんだ。ずっと前から。
知ってて。それで、降谷の恋を応援し続けて…
｢自己犠牲にも程があるでしょ……ほんっと…｣
……お人好し。
零れた涙を強く拭って背筋を伸ばす。
ヒールの音を立てながら、早朝の庁舎内を歩いた。
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re(プロフ) - 景璃さん» 景璃さん、コメントありがとうございます…！！萩原さんには申し訳ない作品で…😭作者も書きながら｢萩ぃぃぃ！😭😭ごめぇぇん！😭😭｣と思っておりました…🤣 こちらこそ、最後までお付き合い頂き、感謝です…！✨ (2023年3月9日 23時) (
レス) id: 78ebe0a207 (このIDを非表示/違反報告)
景璃(プロフ) - 完結おめでとうございます。お疲れ様です。私は降谷オタクですし、物語も大好きなのですが、一言だけ言わせてください。萩ぃぃぃぃお前ぇぇぇ😭😭😭😭😭😭以上です。素敵な作品をありがとうございました! (2023年3月9日 17時) (レス) @page27 id: b555acc3f2 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - まみこさん» まみこ様、最後までお付き合い下さり、コメントまで本当にありがとうございます！沢山褒めて頂いて、涙が出るほど嬉しいです…😭✨夢小説を書いて良かった！と心から思えました(*^^*)✨温かなお言葉、本当にありがとうございます！ (2023年3月6日 9時) (レス) id: 78ebe0a207 (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - コメント遅くなりましたが、完結おめでとうございます！！！re様の作品大好きで、表現とか語彙力とか豊富で……。そして何より、設定もとても素敵で……。夢小説執筆終了は少し寂しいですが、お疲れ様でした。これからも読み続けます！ありがとうございました。 (2023年3月5日 21時) (レス) id: 2e6caf5e65 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - MUTSUさん» きゃー！MUTSUさん…！！お久しぶりです😭✨またコメントを頂けるとは思っていなかったので、涙が出るほど嬉しいです…(;-;)✨温かなお言葉、本当にありがとうございます！これからも頑張りますので、お付き合い頂けたら嬉しいです(*^^*) (2023年2月15日 20時) (レス) id: 78ebe0a207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：re
| 作成日時：2023年1月17日 19時
