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私の適当な返事に対しての、困ったような呆れたような顔。
そんな顔も素敵に見えてしまう程に、私は先生に毒されていた。

このうだるような暑さにやられているのか、なんて思った事もあったけど、きっと雪が降る程寒かったとしても同じような事を考えているだろうし、やっぱり酷く毒されている。


そう、“毒されている”のだ。
だからこそ、あんな無茶苦茶な行動をしようって思ったんだ。



テストの前頃耳に入ったあの噂は、夏休み前には学校の....特に女子生徒の間で、すっかり広まっていた。

教科担当だし一緒に居るのも当然と言えば当然だ。それでも高校生の噂話なんて、広まる頃には尾ひれ背びれが付いて、原形をとどめてなんかいない。
「その女の子のこと贔屓してるんだって」「付き合ってるらしいよ」「どこまでいったんだろうね」

放課後まで居るような運動部の友達も居ないし、よくいるありふれた顔の私だ。幸いにもその女子生徒が私だとは誰にも気が付かれないうちに噂が広まっていったらしい。

直接ではなくとも何度か耳に入るその噂に、どうしようもない優越感を感じていた。



今だって、先生の隣に居るのは私だ。私だけなんだ。
....その事実だけが、私の頬を緩めさせた。




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作者名:らぱん( ・×・ ) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=d9fece3f785bc7d3ebaeeecd6103e95f...  
作成日時:2019年2月23日 17時

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