128話 ページ9
giyuu.side
「…はぁ。」
時透には好きにしろと言っておきながら、いざとなるとゆきなの気持ちが揺れてしまうのではないかと不安でため息が出てくる。
胡「ため息なんてついてどうしたんですか?」
背後からいきなり現れた胡蝶はいつもの如く、にやけ顔で話しかけてくる。
「なんでもない。」
胡「あらあら。相変わらず可愛くないですね冨岡さんは。」
「…何か用か?」
ゆきなと時透の事が気にかかり、いつもよりも冷たくそう問うと、こちらの態度は特に気にならなかったようで変わらず飄々と笑顔を向けてくる。
胡「時透君をゆきなと二人きりにするなんて随分とお優しいんですね。冨岡さんにそんな余裕があっただなんて知りませんでした。」
「…何が言いたい。」
胡「そんなに怖い顔をしないで下さいよ。ちょっとした忠告です。人の気持ちは移ろいやすいものですから。…まぁ、私はゆきなが幸せならどちらでも良いのですが。」
「…あぁ。わかっている。」
図星を突かれ、ぐうの音も出ず返事をすると今度は満足気に笑い思い出したような素振りで続けた。
胡「そうそう、時透君に伝言を頼まれまして。ゆきなとの話は終わったからもう戻っていいそうですよ。」
「!わかった。ありがとう。」
それを先に言って欲しかったと思わなくもなかったが、素直に礼を言い直ぐにゆきなの元へ向かおうと足を踏み出す。
胡「冨岡さん!思っている事は全て素直に伝えた方がいいですよ。特にあの子は、事恋愛に関しては鈍いですからしっかりと言葉で伝えてあげてください。」
「あぁ。」
投げかけられた胡蝶からの忠告に返事をし、今度こそゆきなのいる部屋へと向かった。
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作者名:ゆっきー | 作成日時:2019年11月22日 19時