・ ページ4
Aside
「電車とかで痴漢とかあったことないん？」
『ない…』
「ナンパは？されたことあるやろ」
『ある、けど………』
今までのシチュエーションを頭にうかべても、いつでもそばにいてくれたのは。
「…ゆうちゃんが助けてくれとったんか……」
『うん…』
いつも、いつもそうだった。
彼がそばにいてくれて、守ってくれて。
私は、守られてばっかりだったから。
「……Aちゃん。
ここは田舎やないんやからさあ。
やっぱりもっと1人で自分の身守れるようにしとかなあかん＿＿＿＿」
「あ、ゆうちゃんやぁ」
月ちゃんが心配そうに眉を寄せて早口でそうまくし立てた時、夢ちゃんが私の後ろをついと指さす。
振り向くと、スニーカーが地面を蹴る音と共に、顔に真っ赤にさせた悠が走ってきた。
「あ、Aっ！！！」
「え？無視？
私らの事無視やん」
私を見るなり、ベタベタとほっぺを触って、それから、ぎゅっと抱きしめる。
流石にそれは恥ずかしいので、やめてほしい。
けど、焦った必死の形相でかけよられたら、もうそんなのはどうでもよくなる。
「よかった、無事やった……」
悠の体はあっつくて、心臓がバクバク音をたてていた。
「もー、心臓止まるかと思った！
ごめん、やっぱり俺もついて行くべきやったな」
「ほんまによ、この恋愛偏差値低男」
「夢、しーっ！
そんなことでっかい声で言うなて」
「おい聞こえてるからな！！
来年のお年玉減らすぞ」
「ゲーッ、オマケにケチやった」
「さいあく〜」
「おい！
まあ、今日はナイスやったからな、お年玉2倍にしたるわ」
「え、ゆうちゃんイケメン」
「かっこい〜！」
「ふふん
そうだろうそうだろう」
単純やな、とつぶやいた月ちゃんの言葉は悠には届かなかったようで。
おどけ調子の言葉はすぐにやんで、真剣な目付きでこちらを見つめる悠。
「………焦った…
何があったん？なんか変なこと言われた？
どっか触られたりした？」
『ちょっとだけ、手握られたり、腰引き寄せられたり…』
「…どうせちょっとちゃうんやろ」
鋭い追求に言葉が詰まる。
ベタベタと身体に触れられた感触はまだ残っていて、ひどく居心地が悪かった。
また、涙がにじんで、目元を袖で軽く拭う。
情けなかった。
『………』
「ごめん、意地悪言うたな。
はやくそらるさんとこ行こう。
帰りは、迎えいくから。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1009人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅茶(プロフ) - 更新してた！！！嬉しいです！！！ (9月19日 20時) (
レス) @page18 id: 811795f087 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ２（パソコン変わりました≪元ID ５ad0b4ef6a≫）） - この作品好きです！続き楽しみに待ってます！ (8月15日 21時) (レス) @page17 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
弥生2nd@夢見月(プロフ) - へかーてぃあ@夢見月*小夜セコム隊さん» 私も勉強やばすぎてぜんぜん見てなかった……ちょっと今スランプだけど更新頑張る！！ありがとう！ (2022年8月31日 1時) (レス) id: 06b91d025e (このIDを非表示/違反報告)
へかーてぃあ@夢見月*小夜セコム隊(プロフ) - ヤバい部活忙しすぎていつの間にか今日になってた() あっ、最初から読み直しましたぁ...あいらぶゆー...そしていろみずちゃんどこ…！！！(泣) わい次期部長なんでさらに返信出来んかもだけど癒しとしていつも見てるよ♡ んもう大好きだし最高の神様ですわうふふふふ(( (2022年8月8日 2時) (レス) id: 303795a7ab (このIDを非表示/違反報告)
弥生2nd@夢見月(プロフ) - ほたるさん» あ、完全にミスでした…教えて下さりありがとうございます！これからも頑張ります！ (2022年5月28日 22時) (レス) id: 06b91d025e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：弥生2nd@夢見月 | 作成日時：2022年3月12日 14時
