え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。THE SECOND 【となりの坂田。】

・ ページ22

Aside

『リア充って…
くろちゃんだって、リアルが充実してないわけじゃないでしょう？

そんなこと言うならくろちゃんだって彼氏作ればいいのに…
顔かわいいし、性格だって男前なんだから、探せばいい人見つかるんじゃない？』

くろちゃんはストローをガジガジと噛みながらそういう私を恨めしそうに見つめる。

｢だってわし、理想高いし…｣

｢へえ、棗ちゃんて理想高いんだ。

棗ちゃんの理想な人はどんな人？｣

｢え、マジで遠慮なしで言うたら延々続くで？

まずイケメンで
そこそこお金もってて
頭良くて
優しくて
おもろくて
高身長で
イケボで
楽器弾けて
歌上手くて
酒癖悪くなくて
手綺麗で
足長くて
顔小さくて＿＿＿＿｣

｢『……………』｣

くろちゃんの理想の人物像はまだまだ続く。

子供好き、料理が上手い、家事してくれる…エトセトラ、エトセトラ。

…………うん、そりゃ無理だわ。

｢えー、天宮先輩は？
イケメンだし、結構当てはまってると思うけど｣

そう美月が言うと、くろちゃんはまた微妙な表情を浮かべる。

｢うーんつっきーねぇ…
ナチュラルサイコパスはちょっと……｣

『えーじゃあ無理じゃん！』

｢あ、あとわし１日３杯はタピオカ摂取したい派なんやけどそれに理解ある人がええな｣

｢じゃあ尚更無理だね。

棗ちゃん一生非リアじゃんおめでとう｣

｢うえーいありがと＿＿＿ってちゃうやろッ!!!

わしはハッピーマジカルリア充ライフを楽しみたいんやァ!!!｣

“うわああああん”と大袈裟なくらいの嘘泣きでくろちゃんは嘆く。

｢うああああんAちゃんとさかたんみたいな仲良しカップルしてみたい!!!

わしの青春どこ行ったんやー?!?!｣

『仲良しカップルって…

誰かと二人でどこか買い物行きたいの？
私休みの日だったら一緒に遊べるけど』

｢いや、A、そういう問題じゃないとおも＿＿｣

｢え、ええの？
じゃあ来週の土曜日で。
カフェ巡りしよ｣

｢あ、いいんだ…｣

｢え、わしAちゃん全然OKやで？

なんなら今からそらるんに結婚のお許しもらう心の準備くらい出来てるし。
さかたんに飽きたらわしんとこ嫁いでくればええやんな｣

『飽きたら……私悠には飽きないと思うよ、多分』

｢クゥーッ、言われたいor言ってみたいランキング第1位!!!
“私、彼には飽きないわ”!!!
いやあ、見事にキメてきましたぁ!!!!!!｣

｢おおっと一ノ瀬選手実にあざといですねぇ｣

『ねえほんとにうるさい！』

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す