イナイレ ー星の涙ー part5

No.214　お葬式 ページ17

お兄ちゃんのお葬式


みんな泣いていた


お兄ちゃんの友達


お兄ちゃんのサッカー部の先輩


お母さん


みんな、みんな泣いていた


綱海にーにや鬼瓦さんも
陰でこっそり泣いていた




A『お母さん…ｯ

ごめんなさいｯｯ…』

泣きながらお母さんの服の裾をずっと
つかんでいた


A『あ、あたしのｯせいで……』


お兄ちゃんはみんなから期待されていた

あたしはなにも期待されていない


なんであたし生きてるんだろう


なにもできなかった。

なにもほんとうになにもできなかった。

お兄ちゃんになにもお返しできてない。




母『大丈夫…あなたは人殺しなんかじゃない』

そう言い優しくあたしのことを
抱きしめてくれた


綱海にーにも『そうだぞ！！A！！』と
言ってくれた



お兄ちゃんを轢いた大きなトラックは飲酒運転
だったらしい


でもあたしのことを庇って死んだことには
変わりない









学校に行くとみんなから心配された


みおな『大丈夫だった？！』

最初に声をかけてくれたのはみおなだった

『残念だったね……』



心配された反面、やはりこう言われた


橋口『おまえ、人殺しだな』


その言葉に震える


みおな『Aちゃん！私たちは味方だからね！』

A『…ありがとう』


翌日また学校へ行くと
ノートにこう書かれていた

【人殺し】

急いでパタッとノートを閉じる


みおな『どうしたの？』

A『う、ううんなにも！』

首を横に振る


こんなことがしばらく続いた

今までたまにサッカーをしていた男子からも
陰口を言われたりした



みんなあたしから離れてく……


みおなが心配してくれて
いつも元気づけてくれた


みおながいたからだんだん笑顔になれた


でも…


廊下から


みおな『Aちゃんにはあー言ったけど…

人殺しだよねぇ…』ﾋｿﾋｿ

そんな声が聞こえた


『よくあんたノートのやつバレないねw』

みおな『まあ、あれだけ心配してれば
私がやったって思わないでしょw』


あたしはその場から逃げ出した


みおなだったんだ。

なんで…なんでよみおなっ…！！



……なんで裏切ったの？！


信じてたのに…信じてたのにっ！！！




そこからあたしはみおなとか関わらなくなった

みんなとも…




綱海にーにくらいしか信じれる人がいなかった

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