No.69 よく見てるんだな ページ22
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A「ハァハァ…」
空はもうオレンジ色に染まり、
みんなは各自に合宿所の中に帰っていた
そんな中、あたしはボールを蹴りまくっていた
「やるねぇAチャン」
嫌味っぽく“チャン”づけして呼んできたのは、
不動くんだった
A「やるねぇって…全然だって……」
もう新必殺技練習よりも、シュート練みたいになってるし…
不動「…おい、パスしてみろ」
突然そんなこと言うから少し戸惑ったけど
言われたとおりにパスを出した
すると不動くんは小さく「やっぱりな」と言った
なにが?と思っていると不動くんはあたしと目を合わせる
不動「お前、パスするとき変な回転つけてるだろ」
そう言いながら、パスを返してきた
A「変な回転…?」
あたしはさっきパスしたとおりにまたボールを蹴った
A「あっホントだ」
確かにあたしはパスをするときに変な回転をつけていた
こーいうのって人に言われないとなかなか気づけないんだよね
不動「ふつーに蹴りゃいいんだ」
A「うん。わかった」
不動くん、よく見てるんだな
…ベンチだしねいつも←
A「ありがとう。言われなかったら気づけなかった」
そう言うと、不動くんは「フンッ」と鼻で笑い、
スタスタと歩いていった
不動くんのこと勝手に“怖い”って思ってたけど
全然そんなんじゃなかった
響木さんが言ってたとおり、
あたし男嫌い治せる……のかな
それは自分の努力しだいだよなー
ま、とにかく…
“自分らしい”シュートを完成させるんだ!!
A「よしっ……」
ボールをトラップし、ちょうどいいタイミングでボールを思い切り蹴った
ずっとこれを続けていた
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A「ハァッハァ…」
くっそ……できない…
今の状況が、皇帝ペンギン1号を習得するための練習の時と重なる
__
A『…ハァ…ハァッ…
できません…っ』
影山『右足に力を集中させることができるまで練習をするんだ』
A『っ!』
影山『いいか?できるまでやるんだ。
できなければ、飯はやらん』
A『わかり…ました…』
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作者名:るぅ | 作成日時:2017年9月26日 23時