No.59 いやだ！！！ ページ12
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豪炎寺「…話を聞いていた通りだ。
俺は、次の決勝戦でサッカーをやめる」
A「！！！」
豪炎寺くん、サッカーやめるの？
医者になるために？
お父さんがそう望んでいるから？
そんなの…っっ
A「……だ…」
豪炎寺「…え？」
A「やだっ！！！！
なんで！！？豪炎寺くん！！！
サッカーすきなのにっ…なんで！！！」
あたしは豪炎寺くんに大声でそう言った
ただ頭の整理がまだ追いつかなくて
今の自分の想いをぶつけた
不器用に、言葉を並べて
自分でも分かるくらい、
あたしは今、ヒドい顔をしている
眉間にしわだってよってるし、
口だって震えているし
目つきは尖らせている
豪炎寺くんは目を伏せていて、あたしと目を合わせない
豪炎寺くん、サッカーすきじゃん
大好きじゃん
幼い頃からサッカーやってたじゃん…
勝也さんだって知ってる
いや、勝也さんが一番よく知ってるはずだ
なのにっなんでよっ
どうしてよ…っ
豪炎寺「もう、決めたことなんだ。
フクさん、洋服ありがとう」
そう言って洋服の入った手提げを受け取ると、
逃げるように宿舎に入っていった
でも、その背中は寂しげだった
……
フク「…Aさん……」
A「なんでみんな変わっちゃうの？
なんで“男”ってそんな簡単に変わっちゃうの？
なんで？どうして？…
怖いよ。あたし…」
あたしは顔を俯かせた
そんなあたしの背中を優しくフクさんはさすってくれた
フク「Aさん…決勝戦まで修也さんを支えてやってください」
A「支える…」
豪炎寺くんを支える…
フク「決めたと言ってましたが…
本心ではないと思うのです…」
A「あたしもそう思います。
…だって豪炎寺くんは
サッカーが大好きですもん……」
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作者名：るぅ | 作成日時：2017年9月26日 23時
