No.78 心は救えます ページ31
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A「……確かに、人の命はサッカーじゃ救えません…
でも
心は救えます！！」
勝也「……」
A「今、サッカーは大ブームです。
世界大会が開かれた今、小さい子供達からみたサッカープレイヤーはまさに、憧れといったモノだとあたしは思います。
将来このように自分もなりたい！！
そんな夢をサッカーは教えてくれます。
豪炎寺くんは、あたしにサッカーを教えてくれました。
だから引っ越してもあたしはサッカーを続けました。あたし、豪炎寺くんみたいにサッカーが上手くなりたかったから
そんな夢を豪炎寺くんは与えてくれます！！
エースストライカーという夢を豪炎寺くんは
世界中の子供達に与えてくれるとあたしは思うんです」
勝也「…だから何だというのだ」
だから…って……
つまり…
あたしは勝也さんの目をジッと見つめた
勝也さんの瞳、豪炎寺くんと同じ黒色だ
あたしの気持ち、
伝われ…！！
A「サッカーは病気では治せない、
“心”を救ってくれるんです！！」
あたしは勝也さんの目をそらさずに言った
勝也「私には分からない。君が言っていることが」
A「…うそですよね？
勝也さん、分かってるはずです！！
だって、豪炎寺くんがサッカーをしているところをあんなに楽しそうに観ていたあなたなら…
もうあたしの言ってることなんて分かっているはずです！！
お願いします。分かってください。
勝也さん、本当はサッカー大好きでしょう？」
勝也さんは何一つ表情を変えずに「急いでいるんだ」と言う
A「…分かりました……
じゃあ、明日の決勝戦、観に来てください
豪炎寺くんのプレーはどんなに人を楽しませてくれるか…
その目に焼き付けてください」
あたしはそう言って、
院長室の前を退き、頭を下げた
勝也「……時間がとれたら、な」
A「！！」
あたしが頭を上げると同時に勝也さんは院長室へ入っていった
円堂「Aも…知ってたんだな」
少し弱々しい声を出す円堂くん
A「うん…
勝也さん、分かってくれるといいな」
円堂「そうだよな」
A「でも、言いたいこと言えたから
スッキリした(笑
………」
窓から差し込むオレンジ色の光は
切なくあたしたちを照らしていた
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作者名：るぅ | 作成日時：2017年9月26日 23時
