太宰さん検査。 ページ39
太「さあ、見せてね。」
太宰さんの部屋に招き入れられ、外套を取られてしまった。太宰さんも外套を脱いでいる。私は彼の外套を着ていない、ベストのみの姿がすごく好き。いつもとは違う雰囲気でレア感がある。SSRである。
『な、何をです…』
太「お腹。私達が出る前、ラヴクラフトに攻撃されてたでしょ?あと、首も手首も全部見せて。」
太宰さんの目があまりにも冷静で。圧が重すぎて少し下を向く。
太「全部脱げって言ってるわけじゃないよ。自己申告制。どこ怪我したのか、教えて?」
ついさっきとは違う、優しい顔の太宰さんだ。優しい笑みを見せながら腹部を撫でてくる。黙って太宰さんを目だけをあげて彼の目を見る。首を傾げながらこちらに笑いかける彼。
太「どうしたの?」
『おなか…いたいです』
太「んん…ちっちゃい子みたいだね。」
太宰さんは笑いながら私のサスペンダースカート(ずっとサロペットと言ってきたけどそれとは少し形状が違ったかもしれないと気付いた。まあ似たようなもの。)の肩を落とした。
ウエスト部分が締まっている為、スカート自体が落ちる事はなかった。
太「…なんか悪い事してる気分になってきた。」
捲るよ、と声をかけながらワイシャツを持ち上げる。彼は膝立ちになって「検査」を始めた。
太「うわあ…痣になっちゃってる。…骨は?動くと痛いとかある?」
『折れてはないと思います』
太「そう、なら良かった。…もう少しご飯食べた方がいいよ?あばら骨の所も痣になってる。」
そういいながら腹部を指先で撫でられる。
『ご飯、食べてますよ、ちゃんと。筋トレだって、してます。』
腹部を撫でられるのが擽ったくて、途切れ途切れに言葉を返す。
太「女性は筋肉が付きにくいからね。」
彼は腹部から手を離し、次は手首を見せて、と立ち上がる。
私は大人しく両手を前に出し、包帯を外す。二本の包帯が、はらりと重力に従って下に落ちる。
太「うん、あと少しって感じだね。傷自体は塞がってるし。傷の治り早いね。」
『…太宰さんとおそろい、なくなっちゃいますか?』
太「……君は無意識だからタチが悪い…」
太宰さんは私の事をぎゅっと抱きしめた。しかし力はそんなに入ってない。きっと腹部の痣の事も気にかけてくれているのだと思う。頭と背中に回された手がすごく暖かい。
太「いつになったら君が手に入る?ここでは「雰囲気」がない?今以上に最高のタイミングはないんじゃないかな。」
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外套
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月7日 18時