撮影する太宰さん。 ページ21
ガチャっと屋上の扉が開き、国木田さんがやってきた。
国「おい太宰。…邪魔したな。」
太宰さんに握られ胸に当てられていた手をぱっと離す。
『ど、どうなさったんです?』
国木田さんは黒いワイシャツの襟を掴み、首元を見せた。手形。呪いかなにかでしょうか?
国「こいつの意味を教えろ。」
太宰さんをちらりと見ると、珍しく驚いていた。
探偵社の椅子に鎖でぐるぐる巻きに括り付けられた国木田さんを前に、与謝野女医、太宰さん、賢治くん、私は時を待っていた。
『…痛くないですか?』
国「問題ない。痛いくらいが丁度いい。」
太「国木田くぅん、Aちゃん相手にそういう発言しないでよ。」
国「しっかりと縛られてるって意味だ!」
太「Aちゃんに絞めて貰ったからって喜ばないでよ。」
国「ああ!?」
別に私だけで括りつけたのではない。…絞められて何故喜ぶのでしょうか。
『敦くん達、大丈夫かな…』
ふと、そこにいる全員が黙った。
国「おい太宰、始まったぞ…!」
目からドロッと血が垂れる。
太「却説、行こうか。Aちゃん。」
太宰さんは「佐々木さん」に荒れる国木田さんを散々撮影した後、声を掛けてきた。
『どこに行くのです?』
太「これを置きに。」
たまご…のキャラクター…?…オブジェ?とても可愛らしいが、何のキャラクターなのだろう?
『えっと…可愛い趣味してますね?』
太「チャフだよ。」
『チャフ…』
飽和チャフという、電波を反射する物体を空中に散布するもので、レーダーによる探知を妨害するらしい。
これを街のいたるところに置いて欲しい、と。
太「私は片手がこれだからね。一人じゃできない。とはいえ、もういくつかは設置してある。」
『…あ、敦くんですね。判りました。』
太「君は会話が下手だね?理解力があって頭の回転が早い分、他者と話が繋がらないね??」
『行ってきますね。』
太「もう聞こうともしてないね???」
きっと敦くんを助けるのに必要なのだと思う。
異能生命体の理久に出てきてもらい、二人でいくつかの飽和チャフを持って探偵社を出ようとすると、待って。と止められる。現在外はゾンビ映画のようになってるらしい。一般人とはいえ、理性のない者たちの中に一人で入るなんて危険すぎる、とのこと。
太「置いて欲しい所を指示する。一緒に来てくれ。」
『はい。』
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月7日 18時