嫉妬の太宰さん。 ページ19
一度探偵社に戻る事にする。此処もバレているのなら安全ではないし。書類も置きに戻りたい。
敦くんも探偵社にいるようだし、太宰さんもそちらに戻ると連絡があった。国木田さん達もきっと探偵社に集まるだろう。ファイルとショルダーバッグを持って探偵社に向かう。
賢「Aさんも探偵社に向かわれますか?」
金髪の可愛い少年に声をかけられ、少し心がほんわかと暖かくなった。
『うん。賢治くんも?』
賢「はい。一人は危険です。良ければ一緒に行きませんか?」
『良いです。むしろ良いんですか。』
こんなに眩しい子が近くにいると自分がドス黒いように感じます…。
探偵社に着き、書類を鍵付きの引き出しにしまう。そしてショルダーバッグをデスクに置き、屋上へ向かう。ぽーっと空を眺めているその人に声をかける。
『太宰さん。』
太「ん?あ、Aちゃんじゃないか。」
優しい風を受けながらこちらを振り返る太宰さんは右腕に包帯がぐるぐると巻かれている。
『ど、どうなさったんです!?組合はそんなに手強かったんですか?』
太宰さんに駆け寄り、思わずその腕に触れようとして寸前で止める。痛いかもしれない。
太「大丈夫だよ。君こそどうしたんだい?この首と髪は。」
太宰さんは私の髪を左手の指先で弄び、自らの顔に近づけた。私の髪は長くない為、顔が近付く。
太「髪、似合ってる。すごく可愛いよ。
それに、いつも通りいい香りだね。…でも、蛞蝓臭い。」
『え…?』
太「中也の煙草の匂いだ。君には似合わない。で、その首の跡はどう説明してくれるのかな?」
……なんで包帯の下は跡があるって知ってるの…
『あ…盗聴器…』
太「ふふふ、勿論聞いてたよ。でもね、君の口から聞きたいんだ。どうしてその跡が付いた?」
髪を弄っていた手を私の頬に滑らせた。太宰さんはどのような回答を求めているのか判らない。優しい微笑みが仮面のように固い。
『中也さんに…噛まれました…。』
太「何故?何故そんな隙を見せた?中也には心を開いているのかい?そんなに中也が好きかい?」
『違います!』
太「じゃあ何だって中也を見送って、しかも引き止めるなんて事した?…君はポートマフィアに行きたいのかい?中也といたいかい?」
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月7日 18時