激推ししてます、太宰さん！3 (ページ18)

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包帯巻き巻き。ページ18

テクテクと一人でトンネルを歩く。首を押さえながら。与謝野女医に包帯でももらってそれで隠そう。

『ただいま戻りました…。』

与「おかえり。アンタは厄介な奴にばかり好かれるんだねえ。太宰といい重力使いといい…。」

『え？』

扉を閉め、与謝野女医に目を向ける。
与謝野女医の他に、乱歩さん、社長がこちらをじっとみている。

与｢乱歩さんの超推理だよ。ただの友達なんだろ？なら何も文句言わないよ。｣

超推理が使われたって事はやっぱり疑いはあったという事ですよね。まあそうですよね。
内心落ち込みながら包帯を求めて与謝野女医に近づいて行く。

与｢交流関係にまで口出すような事はしないけどさ、相手はポートマフィアだ。気を抜かないように。｣

『…はい。あの、少しだけ包帯頂けますか？』

与｢ん？怪我してんのかい？｣

中也さんの弾により片側だけ短くなった横髪を梳く与謝野女医は、何かに気付き固まった。

『…野犬に噛まれまして。』

与｢…ほんと変なのに好かれるね。｣

乱｢接吻跡は流石に太宰も暴走するだろうねえ。｣

『え？』

接吻跡、って何。私は噛まれただけじゃないの？
コホンと咳払いをする社長に、冷や汗をかく。

与｢気付いてなかったのかい？｣

今包帯用意してやるよ、と救急セットを持ち出す与謝野女医の横で短くなってしまった髪を指先で持ち上げてため息をつく。

『なんでこんな目に…』

賢｢Aさん、さっき髪、切れちゃってましたよね。｣

『うん？』

賢｢良ければ整えましょうか？｣

『え！？そ、そんなこと出来るの！？』

賢｢はい、簡単にで良ければ。最近流行っているらしい髪型を敦くんと雑誌を見たんです！｣

『お願い致します。』

賢治くんは昔、自分で髪をカットしたり、人の髪を切ってあげていたらしい。意外な特技です。

与｢おお…すごい…。可愛いじゃないか。｣

手鏡を覗く。そこには所謂姫カットの私。姫カット、と言っても控えめなもので、いつもの如く少しだけ外ハネにした後ろ髪にも違和感なく合う。

『すごい…賢治くん、ありがとう！』

賢｢いえ、気に入って貰えたなら良かったです！｣

賢治くんは眩しい笑顔。天使…女神…仏…。