激推ししてます、太宰さん！3 (ページ12)

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太宰さんなら...。ページ12

社「答えよ、ポートマフィアの特使。」

三人が冷や汗をかいた時、社長の声がトンネルに響いた。

社「貴兄らの提案は了知した。確かに組合の精鋭を挫けば、貴兄らは労せずして敵の力を殺げる。」

中也さんは近くの監視カメラに近付いた。

社「三社鼎立の現状なればあわよくば探偵社と組合の共倒れを狙う策も筋が通る。」

ちゅ「だが、お宅にも損はない、だろ？」

ニコッと人のいい笑顔を見せる。だが、私が知っている中也さんの笑顔ではない。

社「この話が本当にそれだけならばな。」

中「…」

鋭い目付きで監視カメラを睨む。

社「探偵社が目先の獲物に喜んで噛み付く野良犬だとでも思うのか？敵に情報を与え操るは高等戦術だ。

この様な木理の粗い策で我らを操れると考えるなら、マフィアなど戦争する価値もない。」

中也さんは静かに微笑む。

中「敵の頭目から直々に挑発を賜るとは光栄だな。」

社「何を隠している？」

きっと今乱歩さんの「超推理」が使われているのだと思う。

中「何も。」

社「この件の裏でマフィアはどう動く？」

中「動くまでもねえよ。」

探偵社と組合の戦争が三組織異能力戦争のオープニングという事。

乱「やあ素敵帽子くん、組合の御機嫌二人組に情報を渡したのは君かい？」

中「あ？…そうだが。」

流石ポートマフィア、ポーカーフェイスを貫いているものの、素敵帽子と呼ばれて少し嬉しそうに見える。

乱「組合は僕たちと同じ様に罠を疑った筈だ。しかし彼らは食いついた。余りに「餌」が魅力的だったからだ。

何で組合を釣った？」

中也さんはニヤリと笑みを浮かべた。
…今、探偵社の守りが一番手薄なのは…

『…事務、員、さん？』

中「Aは賢いなあ。」

社「事務員を「餌」にしただと！？」

中「直ぐ避難すりゃ間に合う。その上組合はお宅らが動く事を知らねえ、楽勝だ。」

スピーカーからばきんと何かが割れる音がした。
きっと中也さんの話は本当なのだと思う。

ポートマフィアは事務員の居場所を探り出して組合に密告、更にそれを探偵社に密告。自分達は汗一つかかず二つの敵を穴に落とした。

中「穴だと判っていても探偵社は落ちずにはいられねえ。首領の言葉だ。」

社「至急事務員に避難指示を。それから国木田に繋げ。」