激推ししてます、太宰さん！2

乱歩さんのお言葉。 ページ37

乱｢Aは一人で考え過ぎだ。誰もお前を成長していないなんて思っていない。むしろ元々出来過ぎているんだよ。｣

『え？』

静寂を破った乱歩さんを訝しげな顔で見てしまう。

乱｢Aは自分の事には過ぎるくらい鈍感だからね。
勘だと思って生きてきたその頭脳と観察能力、おまけに仕事の速さも人一倍だ。｣

乱歩さんは、まあ僕よりは劣るけどね、と付け足した。


『…』

再び下を向く。涙が落ちそうになり、誰にも見られたくないから。

与｢まあなんだ、Aは出来がいいが、そのAが苦手な事とかは得意な奴がやればいいんだよ。
妾も苦手な事は多い。でもそれを補い合うのが探偵社だろう。｣

ぼたぼたと涙が溢れ、視界がぼやける。


乱｢Aは悲観的になりすぎ。一人で全部やろうとするな。｣

与｢困ったり悩んだ時は太宰に言いなよ。彼奴は喜んで相談に乗ると思うよ。もし男に言い難いことなら妾に言いな。｣


涙が止まらない。国木田さんはそっとハンカチを差し出してくれた。それを受け取り、ぺこりと頭を下げた。

国｢その資料、明日までじゃないだろう。
…その、Aなりの予定もあるだろうから強くは言わんが、あまり詰め込みすぎるなよ。｣


与｢名前呼びにするなんて積極的じゃないか国木田ぁ。｣

みんなが国木田さんを標的にしていじり始める。


『ふふ、皆さんありがとうございます。』

今出来る精一杯の笑顔を見せる。

与｢…あんた自然に笑えるじゃないか。いつも無表情だったり困った顔して殆ど笑わないのに。｣

『わ、笑ってますよ。…たぶん。』


太宰さんオタクを隠す為にニヤける顔はいつもポーカーフェイスしていた為、そのように感じさせてしまったのかもしれない…と反省。

乱｢またAの一人反省会始まったよー｣


どうやら私が反省する為に悩んだ顔をして固まった時を、｢一人反省会｣と命名されていたようです。




与｢さ、帰んな帰んな。で、太宰の部屋にちょっとでも顔出てやんなよ。｣

きっと拗ねてるから、と与謝野女医はケラケラ笑う。与謝野女医は男らしい性格だけど、とても綺麗な方。性格もルックスも憧れです。


『はい、ありがとうございます。』

データを保存し、パソコンをシャットダウンさせ、帰りの支度をする。

いつものバッグを肩に掛け、深々と頭を下げる。

『ありがとうございました。お疲れ様です。』


皆の手を振ってくれたりお疲れーと声を掛けてくれる。ふわふわとした気持ちで探偵社を後にする。

太宰さんに電話したい。→←太宰さんに甘えてばかり。

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