激推ししてます、太宰さん！2

刺客は太宰さん。 ページ1

電話により片手が離れ、拘束が弱まったところでばっと振り返り、相手の顔を見る。

『だ、太宰さん！？なんで…』

国木田さんがワーワーと何かを言っているのがまだ聞こえるが、気にせず電話を切る太宰さん。

太「探偵社に戻ったらまだ帰ってないっていうんだもん。心配したのだよ？たくさん探したのだから。」


次は正面から抱きしめられる。そして耳元に口を寄せられる。ふっと耳に息がかかり、ぴくりと体が動いてしまう。頬が火照っていくのを感じる。


太「ね、どうするんだい？もし知らない人にこんな事されたら。


…誰でもそんな風に頬を染めてしまうのかい？」



『え？』


抱きしめていた腕をするりとほどき、肩を掴まれる。

太「…君は女の子だ。知らない人についていっちゃダメだろう？…特に蛞蝓となんて。」

子供に諭すように優しく、困ったような顔。
な、蛞蝓？

『ご、めん、なさい。』


つい謝ってしまうような圧さえ感じた。太宰さんはよし、と私の頭を軽く撫でてから、手を繋いだ。


太「帰ろう。深い話は帰ってからにする。」


探偵社につくまで何も言えず、ただ繋がれた手を見つめて歩いた。

太宰さんのてへっ。→

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