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虚言の裏に潜む愛は空虚 ページ12

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空色の灰を孕んで乱れたセーラー服を雑に整えて、手櫛で日に焼けた髪の毛を撫でる。吐息から生まれた猫に別れを切り出すと、満たされた唇に親指でそっと触れた。そうしてまた、過去と未来に蓋をする。





「……軽蔑した?」





想像以上に震えた声を貼り付けた微笑みで誤魔化して聞くと「今更だろ」なんて鼻で笑い、ばさりと白衣を羽織った。それ以上を問う勇気はないから、「そっか」と目を細める他ない。

……きっと、焦げてしまったのだと思う。
やがて気が抜けて、溶けてしまったのだとも。





「またね」





味方したのは、何も太陽だけではない。
私にとってはこの副流煙こそが、最大の悪友だ。

「授業中は寝んなよ」と、珍しく教師らしいことを吐いて、静かに見送った。何だかそれがどうしようも嬉しくて「覚えてたら」そう言うと、手をヒラヒラと振り踵を返す。のちにチャイムを耳でキャッチして、長く細い廊下を駆けた。





「(どこまでもズルいや)」





たっぷりと潤んだ瞳をリセットしながら、睫毛を数回上下させるとこぽこぽと溢れ出てきたのは身に覚えのない罪悪感だったけれど、木々がそよ風に揺れるのと同じように、また、波が絶えず砂浜を濡らすのと同じように、必然的なことだと強引に片付ける。

地球から宇宙へと飛び出した星になれやしなくとも、砂時計が空っぽになるまで偽りの恋に身を寄せられたら、私は私を幸せだと認められるのだ。





「(現実なんて、見たくないから)」





教室の扉を開くと「あーA!どこ行ってたの!」と席を立つヤドン。「ヒミツ」と人差し指を口元で立てると、不服そうに口を尖らせる。

こんな私でごめんねと、謝ることはしないけど、こんな私にありがとう、そう思ってはいるので許して欲しい。どちらにしても言葉にすることはないが、彼女は鈍いので耳にしても理解できないだろう。求めている正しさなので安心しつつ、席に着いた。





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塗りたくった不安定な情緒→←不正解はSOSの合図



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こころ(プロフ) - 言葉遣いや、主人公ちゃんの気持ちの表現の仕方がすごい好きで、読んでいて面白いです。ゆっくりで良いので更新待ってます! (2020年9月30日 20時) (レス) id: efbab0acfd (このIDを非表示/違反報告)
小笠原@銀トッキー - この主人公のノリ、好きです!更新頑張ってください (2020年5月27日 12時) (レス) id: d7fcd729d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:堕天使 | 作成日時:2019年9月20日 20時

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