妹じゃなくて

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最低な自分と

残るあやの体温を振り払うように全力で走った

こんな身体なんか散り散りになればいい

走って走って、どこまでも走って

倒れるように止まった







焼けるような喉の痛さも激しい鼓動も整わない呼吸も
そんな程度じゃ足りないんだ







アスファルトを殴っても満たされない
ただ血が滲むだけ









白く残った涙の痕が痒くて爪を立てた









何やってんだよ

絶対に傷つけないって決めてただろ

誓いはどこにいった？

傷つけた上に謝りもせず逃げた

あやを1人にした









なんで俺が泣いてんだ

泣きたいのはどっちだ？

励ます立場が敵になってどうすんだよ









今すぐ謝らなきゃ

でもどんな顔して会えばいい

何をどう伝えれば

どんな言葉で

どんな態度で

どうしたら

どうしたらあやは

許してくれるだろうか

またくしゃっと笑ってくれる日は

戻ってくるのかな









そうやってうだうだ考えて
ラインも電話も何もしないで地面にへたっている俺は惨めで格好悪くて
自分にイライラする









男ならしゃきっとしろ








分かってんだよそんなことくらい








いつまでもいい格好しいの自分が邪魔をする







バカじゃねぇの
逃げてる時点で十分格好悪いっつーの









でもあやのこと絶対手放したくないから
ずっと会える関係でいたいから









さっきのことも
この弱い自分も
全部あやに伝えなきゃ








その後のことはどうにでもなれ









息も整わないまま
スマホを開くより先に走り出して
握りしめた拳の中には
小石が少し残っていた

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