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涼介side
『ほんとに大丈夫だから。涼介くん、今日はちゃんと自分のお家に帰ってね?疲れてるでしょ』
涼介「え、嫌だよ。Aの所に行くし、そこでご飯だって『迷惑だから』…え?」
『だから、迷惑なの。明日も学校だし、こんな遅くに来られるのは迷惑だよ』
涼介「………」
『ばいばい』
ばいばいという言葉の後は無機質な機械音が流れた
いつもなら、いつものAなら迷惑だなんて言わない
待ってるねって言ってくれるのに
そう言ってくれないことに少しの苛立ちを覚える
俺だって、仕事だったんだから仕方ねぇじゃん。怒んなよって言いたい
けど、よくよく考えると、最近俺はAとの約束はいくつ守ったっけ?
いつものレイトショーデートもチケットまで買ってくれたのに急な撮影でキャンセルに
あとは、頼まれていた買い出し。Aが帰るのが遅くなるからって言われて頼まれたのに、久しぶりのゲーム配信に熱中して忘れていて、気づいた時にはAが帰って来ていて買い出しも終わっていた
夕飯だってそう。今日みたいに約束していても当日の夜にごめんって言ったこともあった
あれ?そう考えると俺、結構自分勝手?
約束約束って言って、最近は全くそれを守れてすらいない
でも、そんな俺をAはいつも笑って大丈夫って言ってくれた
その笑顔を見て、”あ、大丈夫なんだって”
呑気なことを考えていたのは俺だ
そんな俺がAに苛立ちを覚えるのは違うんじゃないか?なんて、考え出したらキリがなくて
とりあえず、今日は家には行かずに自分の家に帰ろう
それで、明日の夜ちゃんと謝ろう
そう心に決めた
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作者名:ゆうか | 作者ホームページ:http://YAMADA
作成日時:2022年11月7日 1時