ヲタク女子の恋愛事情 3 (ページ2)

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Aside

結局、次の日の朝まで私が部屋から出ることはなかった
涼介くんは扉の前でずーっとなにか言ってたけど全部無視

日付が変わる前にはその声はやんでいた
鍵を開けて部屋から出ると涼介くんはいなくて
玄関に靴もなかったから自分の家に帰ったんだろなって

私は軽くご飯とお風呂を済ませ寝た

朝起きると、涼介くんからの不在着信とメールが山のように届いていた

けど、まだ私の怒りは収まらない

山田涼介と付き合ってる時点で普通のファンとは違うけど
なるべく、私の中に線引きをしてるつもりだった

なのに、涼介くんはよくコンサートでやるようなファンサを私にしてきた
それが、私の中では気に食わなかった

準備が出来て家から出てエレベーターに乗る
エントランスから出ると大きな黒い車が止まっていた

すると、その車の扉が開いた

涼介「A！」

『…………』

あー、そうか。この車は送迎車なのか
1人でぼーっと納得していたらいつの間にか涼介くんが目の前に

涼介「そ、その……。昨日はごめん……おれ、『ねぇ』」

『ここ、外。しかも、通学通勤で人が多く通るのにさ、堂々と車から降りてきて私の名前呼ばないでよ
バレたりしたらどうするの？』

涼介「っ、」

涼介くんは下を向いて何も言わなくなってしまった
そんな涼介くんを横目に私は駅へと向かった

涼介side

朝、いつも通り送迎車に乗り込んでシートベルトをしようとした時
エントランスからAが出てくるのが見えて
閉めたばかりの扉を開けて名前を呼んだ

謝罪の言葉を述べようとした時
俺の言葉に被せるようにして言葉を遮った

『ここ、外。しかも、通学通勤で人が多く通るのにさ、堂々と車から降りてきて私の名前呼ばないでよ
バレたりしたらどうするの？』

涼介「っ、」

そう言って俺に冷たい視線を送ってきた
その視線に耐えられなくて下を向いた

Aは駅に向かって歩いていってしまった

伊織「山田さーん。行きますよ〜」

伊織に呼ばれて我に返って急いで車に乗り込んだ