お姫様は退屈なようです

5 ページ6

Asaid


それから本当に酷かった


庭に咲いてた花は枯らすし
キッチンは使ったら使いっぱなし
待ち合わせの時間に来なかったり


あぁ、車椅子のストッパーを掛けたまま動かそうとした時はヒヤッとした


ほんとに、ほんとに


『貴方、執事協会から来た人間なの？』


雅人「はぁ？そうに決まってんだろ」


『にしては、基礎の基礎が出来てないように見えるわよ』


雅人「実践なんてそんなもんだ」


今だって、本を読む私の隣で協会に提出する書類に落書きしてるし
まぁ、ずっと立ってろなんて言わないけど、課題するならしっかりしなさいよ


『はぁ、そんなんじゃ卒業出来ないわよ』


そう言って、メイドに入れてもらったお茶を口にしようとした時


雅人「！！おい、待て！」


ガチャン！


『きゃあ！！』


私の持っていたカップを払い落とした


『ちょっと、何するの！？せっかく入れてくれたのに……』


雅人「……お前、気づかないのか？」


『…?何に？』


雅人「この紅茶、色がおかしい」


『え？いつも通りだと思ったけど…』


雅人「いや、若干だが色が違う」


『……』


なに、なんでそんなこと言えるの？
違うってどこが……?




ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ


雅人・A「は？/え？」


松本「お見事」


『っ、潤！！』


雅人「なんだよ、お見事って」


松本「執事協会からのミッション1を見事合格したと言うことだ」


『ミッション…?』


松本「はい。執事達にはそれぞれ違う才能をもつ執事がいます。その才能を自ら知ってもらうミッションです」

6→←4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す