お姫様は退屈なようです

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Asaid



今日は待ちに待った初登校の日
メイドに着替えさせてもらい鏡の前で自分の顔を見る


緊張で寝れなかったせいかクマが酷い
ニコッと微笑みたいのに微笑めない


どうしたものかと考えている間に扉が開いた
入ってきたのは雄登と太輔


珍しい組み合わせに驚きを隠せない


太輔「今日は初登校の日だな。大丈夫か？」


『……無理。顔が酷い。こんな顔じゃ人前に立てない…』


雄登「お嬢様」


下を向いて泣きそうになっていたその時
雄登が私の目の前に来て優しい声で私の名前を呼んだ。その声に反応して顔を上げるとこれまた優しい顔で微笑んでいた


雄登「お嬢様。これからお嬢様に特別な魔法をかけます」


『……え？』


雄登「今日はお嬢様にとって大切な第1歩の日。そんなお嬢様に頑張れる魔法を僕達執事がかけます。」


太輔「その最初の魔法を俺達が。さ、お嬢様。目をつむって下さい。」



そう言われ目をつむった


そして、数分。



雄登「いいですよ」



雄登の声が聞こえ目を開けると目の前には鏡
その鏡には酷い顔の私ではなくいつもとさほど変わらない程度のナチュラルメイク
そして三つ編みのハーフアップに毛先が少し巻かれている


『これ……雄登と太輔が……？』



太輔「俺達からの魔法は’’変わる’’魔法」



『変わる魔法…？』



雄登「お嬢様。緊張なんてする必要ありません。いつも通りのお嬢様を出してください。お嬢様はいつも僕達にそう言いますよね？」



太輔「大丈夫。俺達が魔法をかけた。どんな緊張や不安も取り除いてくれる。お嬢様が自分を信じる限り」



’’魔法’’なんて大袈裟かもしれないけど
私はこの時本当に魔法にかかったようなきがした


『……うん。頑張る。ありがとう』









それから朝食の時もいつもと少しメニューが違ったり
執事が全員集合していたり
みんなからの頑張れのエールを貰った



私を心配してくれて
忙しいのに来てくれて
本当にありがとう。私、頑張る。

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