どうも、お邪魔します。【桃】 (ページ9)

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君ならいいページ9

一回落ち着いてから話そう。という小瀧さんの提案のもと、

ソファに座って飲み物を飲む。

緊張しているのかずっと喉が乾く。

『緊張してる？……せやんな。ごめん』

「大丈夫、
あのね。聞いてほしいんだけど、」

『聞くで』

「今日の朝……まあ今日だけじゃないんだけどね
エレベーターで身体を触られてる感覚がしてて、」

『…は』

「ま、まだ聞いて！……それでね、しない日もあって、何が違うんだろ？…って周りを見たらね、……っ」

『…思い出したくないやんな、ごめん。泣かせてもうたな、』

怖くて不安で泣きそうになりながら話していたものが、ダムが決壊したかのように溢れてきた。

そんな私にティッシュを差し出してくれた。

「ありがとう…」

『やっぱ、やめる？』

「ううん、聞いてほしいもん」

『無理せんでな』

君ならいい、と思った。

壁を壊した君なら大丈夫だと思った。

きっと一線を引いていたところがあった私に
寄り添ってくれていた君なら大丈夫だと。

「…んん、でね、
例の上司だったの。私の、身体触っていたの。」

『……、』

「神ちゃんには、言ったの。でもコタキチには言えなくて、迷惑かけたくなかった。」

『迷惑なんかとちゃうよ、むしろ不安で仕方ないやん！もしかしたらもっと酷いことになったりするかもしらんやん…』

「上にも、言えなかった
あんな人たちだから、女の私がのほうが悪い印象与えるに決まってるって思ったら言えなかった
神ちゃんには、掛け合ったけど無理だったって伝えた。でもほんとは、言ってないの」

私の話を聞いて、今泣いてる小瀧

なんで今までこの人のことを裏切るようなことをして
真剣に向き合わなかったんだって、自己嫌悪した。

私はこの人をもっと大切にしなきゃいけなくて、

なんならもう大事な人なんだって、今ようやく気づいてしまった。