外伝ノ弐 ページ25
どんな地域にも、１つはあるはずだ。あるものに関する伝説とやらが。
それが生まれるのは、いつも人の噂話などから。
「この辺りには"桃鬼桜"と呼ばれる立派な桜の木があるそうです。
揺れる桜の木の下で、胡蝶を囲むようにしてAや甘露寺はその話に聞き入っていた。鬼を狩る鬼殺隊と言えどもやはり女性。噂話やら逸話などの類には興味があるのだろう。
そんな２人の反応に、胡蝶は満足げな笑みを浮かべている。そして、含みのある様子で煉獄たちと取っ組み合いをしている宇髄にグッと親指を立てると、それに気づいた宇髄が悪戯っ子のような意地の悪い笑みを浮かべる。
「今晩その桜の木を探しに行きませんか？勿論、任務が終わってからになりますが」
どうです？と首を傾げるしのぶに、宇髄は乗った！と声を上げて、不死川の胸ぐらを掴み、そのまま背負い投げを決める。
鈍い音が周囲に響き、アレ絶対痛いヤツだろうなぁとしのぶの笑みが僅かに引き攣った。
「そういや、
当の本人は何ともないようによっこれせと立ち上がると、頭をガシガシと掻きながら、発案者である悲鳴嶼がまだ来ていないことに不満を漏らす。
花より団子ならぬ、花より鬼狩り思考の彼に、花見というのは苦痛であるようだ。しかし、お館様直々に柱内の団結力を増すためだと言われてしまえば仕方がない。
若干２名ほど柱でない人間が混じっているが。
「では今夜、任務が終わった人からここに集まりましょう。時間に間に合わない場合は、鎹鴉を通して知らせてくださいね」
満面の笑みの胡蝶だが、影では宇髄までもがニヤニヤと歯を見せて笑っており、その視線は全て冨岡……ではなく、その隣の錆兎に向けられていた。
胡蝶と宇髄が笑っているときは、十中八九何かを企んでいる。そう確信して、伊黒は甘露寺に桜餅の入った箱を手渡した。
「すまん、遅れた」
「あら、悲鳴嶼さ……何ですか、それは」
背後から聞こえた声に振り返る柱たちだが、悲鳴嶼の持つ見覚えのある小道具に目を奪われた。幼き日に見た懐かしいそれらは、家族や友人と遊ぶ際に使った道具だったから。
「皆には、今から童心を取り戻してもらう」
そう悲鳴嶼が柱たちに配ったのは、ハートやらが書かれたトランプだった。
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squid(プロフ) - シンアさん» コメントありがとうございます！こちらこそ、面白いストーリーを提供していただきありがとうございます。頑張ります！ (2019年8月3日 17時) (
レス) id: bf945fda6a (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 続編頑張ってください!!お花見のストーリありがとうございます (2019年8月3日 17時) (レス) id: 35c1a3a4d0 (このIDを非表示/違反報告)
squid(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年8月2日 22時) (レス) id: bf945fda6a (このIDを非表示/違反報告)
りんご - foooooo！！！))ついに来ましたね、続編！！更新頑張ってください (2019年8月2日 21時) (レス) id: 65b8d779c9 (このIDを非表示/違反報告)
squid(プロフ) - シンアさん» コメントありがとうございます！夏に合わせて海に行ったりとかを考えていたのですが、お花見も良いですね。参考にします、ありがとうございます！ (2019年8月1日 20時) (レス) id: bf945fda6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：squid | 作成日時：2019年6月1日 20時
