＿ ページ22
『私と同じだった、ユンギ』
出会った時から、今までのこと。
私が話すことをナム君は黙って聞いていた。
『ナム君が私に手を伸ばしたみたいに
私もユンギの居場所になりたいと思ったの』
私が差し出した手を、ユンギは握った
『ナム君が危険だって言ったのも
今なら本当にその意味が分かる。』
何回も泣いたし、怪我だってした
心が折れそうになったこともあった。
だけど。
『だけど、私はユンギと一緒にいたい』
ー 一緒にいよう
私達が手探りで選んだ道は間違っていないはず。
多重人格なんてことは重要じゃない。
ユンギだから、一緒にいたい
「…分かった」
真っ直ぐ見つめた目と視線がぶつかる
「出て行かせろとはもう言わない。
お前がそう思うならそうしろ」
『ナム君』
「ただ危険なのは変わりない。
だから、なんかあったらすぐ俺とジニヒョンに相談すること」
『…うん、分かった』
そう言って笑うとくしゃくしゃと頭を撫でられる
「それから俺とホソクを定期的に家に呼ぶこと」
『うん？』
「偵察だ、偵察」
『ふふっ 分かった』
「それから、」
『まだあるの？』
見上げた顔が優しく笑う
「もっと俺と色々話すこと」
『え？』
「A」
私の手をナム君が握った
「俺はお前の味方だよ。
それはずっとずっと前から変わらない」
『…うん』
「いつもお前のすぐ側にいる」
どうして私は
こんな大切なことを見逃していたんだろう
「約束しただろ。俺が一緒にいるって」
ー 俺が一緒にいるから
「それだけは、忘れないで」
繋がれた手のあたたかさは
あの日からずっと変わっていなかった
『ナム君』
「うん？」
繋がれた手をぎゅっと握る
『大好きだよ』
大好き。
いままでずっと言えなくてごめんね
『ありがとう、お兄ちゃん』
家族にしてくれて
妹にしてくれて、ありがとう
『ナム君がお兄ちゃんでいてくれたから
私は今、こうやって生きれるんだよ』
「A、」
私がずっと恐れていたのは、
ナム君の妹でいられなくなることだったんだ。
『だから、ありがとう。
ほんとにほんとに大好き』
「照れるからやめてくれよ」
ナム君が笑って、私も笑って。
そうやって歩く為にあの日私達は手を繋いだ。
だからもう一度。
今度は前に進むために、この手を繋ごう
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homi_dayo_0218(プロフ) - おはなしを定期的に読ませてもらってます！本当に本当に素敵なおはなしだなあと読むたびに思います。切ない気持ちであふれて涙が出てきてしまいます。更新楽しみにしています！じあさんのペースで頑張ってください！応援しています！ (2019年6月30日 21時) (
レス) id: 8df0e511ee (このIDを非表示/違反報告)
きぬ(プロフ) - 続き待ってます（ ; ; ） (2019年6月27日 4時) (レス) id: c8d934a26a (このIDを非表示/違反報告)
じあ(プロフ) - ちむちむさん» こちらにもコメントありがとうございます！ストップしたままですが、必ず完結させますのでゆっくーり待っていただければ喜びます。本当にありがとうございます！ (2019年4月30日 13時) (レス) id: 5b76b5a436 (このIDを非表示/違反報告)
じあ(プロフ) - リセさん» ありがとうございます（；＿；）この作品は繊細な心の動きを大切に書いたので、そう言っていただけて嬉しいです。他にも色々書いておりますので是非(^ ^) (2019年4月30日 13時) (レス) id: 5b76b5a436 (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ(プロフ) - 大好きな作品です！更新楽しみに待っています！ (2019年2月5日 7時) (レス) id: 44d6afde63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じあ
| 作成日時：2017年12月13日 0時
