俺の苦労なんて君は知るはずがない＊真堂揺 ページ15
『こっち絶対見ないでよね!!見たら許さないんだから！』
いつもならば一人で入るのにはそれなりに広いお風呂の中。
いつもと違うのは一人じゃないこと。
そのせいで今、普通なら足を伸ばしてゆっくりと湯船に浸かっているところ、壁の方を向いて身を屈めているのである。
さっき、心霊番組なんかがついていなければ、興味本意であんなのを一時間も見ていなければこんな状況にはなっていなかったのだ。
そのせいで狭いし恥ずかしいしたまったもんじゃない。
死にそう。
「いやAが一緒に入ろうって言ったんだろ……。」
『うっ……、それはそうだけど……、とにかく見たらダメっ！絶対!!』
揺の不満そうな声が風呂場のなかに響く。
そりゃ、私が「お風呂、一緒に入ってよ」なんて頼んだのに見たくもない女の体を見るかもなんてあらぬ疑いをかけられれば誰だって機嫌が悪くなるだろう。
ほんとごめん。
何で恥ずかしいからってこんな言い方しかできないのだろうか、私は。
何となく罪悪感を感じていた間に会話が途切れていたことに気づく。
あの他愛もない口喧嘩もなく、浴場に響いているのは不規則に落ちる水滴の音だけだ。
普段ならばうっとうしいと思うあの騒がしさが今だけは恋しい。
(気まずい。)
彼と出会ってからはあまり感じたことがない感覚だ。
『あ、あの…、ごめん、頼んだの私なのに。』
「ううん、大丈夫。」
会話がないのが嫌で、気まずいのが嫌で、なんとなく謝ってみる。
だけど返ってきたのは何故かそっけない一言だけで、その後に続いたのはさっきまでの嫌な空気だ。
ドンッ。
『わッ…、もう、なんだよ……。』
二人だけの重苦しい空気を断ち切るように、何度もドアを叩くような大きな音がする。
断ち切るといっても場の雰囲気が良くなったわけではなく、私の中の恐怖心がこの気まずさに勝っただけだが。
普通に考えればただの風の音なのだろうが今の私はそうだとわかっていても、頭のなかにはあの映像がよぎって耐えられなかった。
怖い。やだ。
誰かとくっついてないと死にそう。
そう思った私の体はすぐに動いていた。くるりと向きを変えて、見えていた景色は白から肌色へ。
『ごめん…、ほんとにごめん。ちょっとだけこの体制じゃダメ？』
きっと私は、この先に何が起こるかなんて考えられないくらい脳が麻痺していたのだろう。
＿＿＿
次に続きます。
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きのこ - 心操君と真堂君が、、、、グハァ(血吐 (2018年10月12日 21時) (
レス) id: b000323d2b (このIDを非表示/違反報告)
カリン(プロフ) - Ψ藤｡さん» ありがとうございます！よろしくお願いします！ (2018年9月27日 22時) (レス) id: 5f6ae5c170 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - Ψ藤｡さん» リクエストありがとうございます!遅くなってしまうのですが書かせていただきますね！ (2018年9月27日 22時) (レス) id: e541ce1bc4 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - カリンさん» リクエストありがとうございます！遅くなると思いますが書かせていただきます！ (2018年9月27日 22時) (レス) id: e541ce1bc4 (このIDを非表示/違反報告)
Ψ藤｡(プロフ) - リクエストいいですか？尾白君と心操君に夢主が取り合いされるって感じでお願いします！激甘で！ (2018年9月25日 20時) (レス) id: da15a7215d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユリ | 作成日時：2018年7月7日 17時
