【小説】百花繚乱妖ノ宴【募集企画】 (ページ30)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:7,835 hit

二日目(2/7(2))厄介な影【鈴鳴桜羅】ページ30

「友達？君たちのあの子たちの様に幽霊に殺される。それが終焉じゃないか。そして輪廻の様に繰り返す。だからこの子も諦めたんだろう？」
「諦める様に仕向けたんだろうがこの邪神が。お前が恨みを持ち過ぎた、それが伝染して百子にもそれが移った。ただそれだけの事だ。」
「ふん。だとしてもどうするの？僕と百子は離れる事のできない縁。剥がす事は考えない方がいいよー。」
「まあ、わっち一人には、できんよ。ただなぁ、不幸なことに術の得意な奴が三人もおる。」
「三人・・・君の霊力はもう果てた。これを取り押さえるので精一杯。二人で百子を傷つけずに剥がすなんて、無理に決まってるじゃないか」
「さあどうかのぉ。」

途端赤く光る魔法陣が上書きされる。
桜羅はにやりと笑った。

「あんたに勘違いさせたのは悪かったのぉ、四人得意な奴がおる。」
「まじかよ・・・ふざけるなぁぁぁぁ」
「最後のあがきか。よっぽど居心地が良かったんじゃのぉ。」
「なあ、あんた。」
「なんじゃ？」
「こいつをはがした後どうするんだ？」
「呪詛をかける。」
「うわぁーえげつねぇー」
「桜羅さん」
「わかった、そろそろ時間かの？」

そう言うと、東西南北に囲うように立って手を真ん中に向けてかざす。

『汝、邪神を秘め、憑き物を祓わん。百刻の闇に深し、地に身を沈めん』

そう四人が提唱すると狐の妖力は百子の体から抜けた。

コムが百子の周りに結界を張ると、はあ、と溜息をついた。
桜羅は黒狐に駆け寄り、目の前に札を掲げた。

「呪詛、かけるの？陰気な妖狐だよ。」
「あんたにかけるのは百子の命令に逆らえない呪詛と邪気などを百子に影響させない呪詛だ。」
「ほんと意地悪！」
「ほほほ・・・なんとでも言えばよい。」
「汝、そなたの主に逆らう時、闇に地を沈めん。闇防守衛」

紫色の糸が黒狐と百子を結んだあと、光子のように消えた。

「くれぐれも逆らうなよ、逆らえばお前の妖力の10％が百子に行くことになるからのお」

そう言って高笑いをした