鬼滅の刃に百合の花を咲かせましょう (ページ19)

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愛しの貴女へ【胡蝶しのぶ】ページ19

※死ネタです。苦手な方は閲覧をお控えください
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しのぶside

何気ない平日だった

病室の花瓶の水を替えようと

花瓶を片手に水場まで向かう

そんな本当に何も無い一日だった

鎹鴉「カァー！！カァー！！

　绹A！！！

　上弦ノ弐と戦闘ノ末

　死亡！死亡！！」

時が止まった

花瓶の割れる音が確かに耳に届いて

足元が水で濡れていく

気がつけば私は

彼女の遺体を無意識に運んでいた

目を抉られ、肘から骨が飛び出て

下半身を無くした彼女を

私は抱えていた

彼女の身体が妙に軽い

あぁ、身体が半分無いんだ

そう実感していまう自分が憎らしい

蝶屋敷まで彼女を運び

治療室まで運ぶ

もう知っている

彼女はただの肉塊に成り下がってしまったことも

もう絶命しているのに

助けられないのに

こんな無力な私は

ただ涙を零すしかなかった

だんだん彼女から腐敗臭がしてくる

アオイ「…しのぶ様」

しのぶ「……どうしました？」

カナヲ「…師範、やめてください」

しのぶ「何をですか？」

アオイ「っ…そんな

　悲しい笑顔で笑わないでくださいっ…」

アオイもカナヲも

なほもきよもすみも

みんな泣いていた

ただ、私たちは

だんだんと腐っていく彼女を

呆然と眺めていた

─次の日─

彼女の遺体を燃やした

お墓を建てた

柱の皆様も悲しんでいた

鎹鴉「カァー！！胡蝶しのぶ！」

しのぶ「…Aさんの…鴉」

Aさんの鴉は封筒を私に渡して

どこかへ行ってしまった

─胡蝶しのぶ様─

初めての手紙がこのような形なのは

とても残念ですが

鬼殺隊故、致し方ないことでございます

この手紙が貴女の手に渡った頃には

私はこの世には居ないのでしょう

戦線を離脱する私をお許しください

拙い文ではありますが

お付き合いください

胡蝶様

こんな私を心より愛して頂きありがとうございます

私は心の底から幸せでございました

貴女と出逢えたことや

貴女と過ごした日々は

とても色濃く私の心に焼き付いております

私は今世で最も幸せ者だと思います

しのぶ様と出逢えて

私は大変幸せでした

追伸。

本当はもっと貴女といろんなことをしたかった

無性に貴女に逢いたい

end…