約束事と迷い事 ページ13
銀｢…その事件は家族心中の 自 殺 と見なされた。雪衛門は死に、母娘行方不明。多分どっかに遺棄したんだろうって。今と違って前は捜査が雑だったからな。｣
しん…と部屋が静まり返った。それと同時にぶわあっと鳥肌が経った。
この感覚…僕、知ってる。覚えてる。
いや＿＿＿＿思い出した。
あの日の夜…
真っ暗な部屋の中。父上と母上が2人で話し合っていた。
雪｢逃げなさい。｣
ゆ｢そんなっ…なんでそんなこと言うのよっ！私はっ貴方とここに残ります！｣
雪｢あの子はどうする！…お願いだ。ゆりゑ。俺が見れなかったぶん、あの子の成長を見届けて欲しいんだ。｣
ぎゅっと優しく母上の手を優しく割れ物を扱うように優しく、包み込んだ。
ゆ｢…ずるいですよ。｣
涙ぐみながらぎゅっと今度は強く、強く、握りしめた。
約束を果たすと。
雪｢じゃあな。旅行、楽しんでくるんだぞ！｣
にかっと優しく笑う父上。母上も笑顔で行ってきます！と言った。
｢父上。｣
雪｢どうしたんだ？｣
｢このお面…無くしたら嫌だから持ってて。｣
しゅるり…と面の紐を外し、父上に渡す。そして
｢ありがとう。｣
と一言。
そう言って母上と共に逃げたんだ。あの場所から。
僕は…知らないフリして…父上を見捨てた？
｢はあっ…はっ…はっはーっ｣
銀｢おい！？どうしたんだ！？｣
突然息を荒らげる僕に旦那が驚いた。でもこんなの止められないよ。
歯がガタガタして全身がぶるぶるして、体温が奪われていく。
『いつかきっと名前教えてあげるから。待っててよ…バカ兄貴達。』
そっ…だ。名前まだ…教えられてないよ…。
銀｢これに吸い込め！｣
目の前に差し出されたのは紙袋。
スーハースーハーと落ち着いて深呼吸をすると嘘のようにさっきまで
全然入ってこなかった空気が入っていく。
銀｢お前…それ、もしかしなくとも過呼吸だよ。ストレス性の。突発性のな。…本当は辛かったんじゃねェの？真選組とか｣
背中を優しく擦りながら旦那は気遣ってくれた。
確かに…仲間だと思われなかったことにショックを感じた。でもまだ信じてくれる人がいたから…多分保って居られた。だけど…
父上を引き止めずに知らないフリして死なせたのは紛れもない僕のせいだった。
それが無性に心に突っかかっていた。
銀｢仕事熱心なのはいい事だが、私情を持ち込んでしまうくれェに苦しいのなら少しは休んでいけ。ここで。｣
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叶優(プロフ) - すみません！手違いでイラストが反映されていませんでした。イラストが見れるようになったのでぜひ見てください。 (2019年6月18日 23時) (
レス) id: 03562ee42c (このIDを非表示/違反報告)
はかたのォしお！！ - 更新頑張ってぇぇぇぇ (2019年6月15日 14時) (レス) id: ec73fc1a8a (このIDを非表示/違反報告)
叶優(プロフ) - クミコさんさん» ありがとう。…いやでもなぜこんな事になってるんだ… (2019年6月3日 21時) (レス) id: 03562ee42c (このIDを非表示/違反報告)
クミコさん - 初コメ失礼しやーす！この作品、面白くて好きです！更新楽しみにしてます！ (2019年6月1日 17時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：叶優 | 作成日時：2019年5月30日 18時
