【wrwrd!】真っ赤な罪の手

第２６話 ページ30

ジャミアが怯んだ…！


そう思った私は、ほんの少し油断をしてしまった。


『…っ……』


足を引っ掛けられ、その場に倒れる。

つかさず起き上がろうとも、その状態のままジャミアに動きを封じられた。

こうなってしまえばもう…ジャミアに負けてしまう…。


ジャ「勝ちが見えたら油断する……
昔っから…お前の悪い癖だぜ？
なぁ……


A」



A…か……



『……そう…だったわね……』


そう言えば…その所為で我々国にも捕まって…

私って本当………成長しないな…


ジャ「ほら、今だってそうだ。
勝ちが見えれば油断、負けが見えれば諦め。
まぁ…お前にはもう、勝ち目がないから仕方ないよな！」


そう……負ければその時点で諦めていた…







＿今までの私ならね＿







腰からナイフを取り出し、ゆっくりと私の心臓に刺さるように構えるジャミア。



ジャ「せっかく…俺につけば、あの方の元へ戻れるように口利きしてやったのになぁ。」


誰がお前なんかに…

あぁ……窓枠が近くて良かった……



先程まで、ジャミアがライフルを構えていたそこは、人が丁度落ちる事が出来そうなぐらいの大きさ。


そう……



２人でも難なく落ちる事が出来るぐらいのね…


ジャ「…死ねっ……っ……⁈」


手に持つナイフを大きく振り上げた時、私はジャミアの服の背中部分をを思いっきり引く。

少し体制を崩されて、後ろのめりになるジャミアの頭を勢い良く足を上げて蹴る。


そうして怯んだ隙に、腕の自由を取り戻す。


ジャ「…101っ…！！！！！！！！」


怒り狂うジャミアを抱きしめる。


『Aよ……』


そのまま、ジャミアの身諸共自分の身も塔の外へ投げ出そうとした。



勢いをつけて、一気に………



とはいかなかった…



ジャミアが死に物狂いで窓枠に手をかけて落ちないようにしていたから。



ジャ「俺はっ…まだっ…！」

『もう終わりよ…

諦めることね。』



私は、その状態のまま身体を揺らす。


ジャ「おいっ…‼
やめろっ…やめてくれっ…！」



『貴方に空中浮遊の心得がなくて良かったわ…』



パンッ


突然、１発の発砲音が聞こえる。

見れば、ジャミアの肩に銃痕があった。


ジャ「…あっ……」


ジャミアは手を滑らせ、そのまま身体を傾けていく…


私と共に…



ゆっくりと目を閉じるものの、いつまでたっても衝撃が来なかった。



再び目を開けて視界に入ったのは、私の腕に必死に捕まるジャミア。

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