26話 ページ29
トン「Aには、私から伝えさせて頂きますよ。」
メリ「でも…!」
キル「メリル、そろそろ自分の身をわきまえなさい。」
王女の抵抗に、ピシャリと言う王子。
メリ「でも、お兄様……Aさんは……」
キル「我々国へは、僕が行くことになるよ。
その時にメリルの気持ちは伝えるさ。」
そうは言われても、引き下がることは出来ないメリル王女。
しかし、普段から我儘を受け入れてくれる兄のその毅然とした態度に、折れるしかなかった。
代わりに、Aしか開けてはいけないといって書いた手紙をキルト王子に渡すことにした。
【トントンside】
_ご自分で考えてはいかがでしょう?_
エミさんにそう言われた時、俺は怒りよりも先に頭の中に不安がよぎった。
今まで、こんなにもエミさんが冷たかった事はあっただろうか。
自分はエミさんに何もしていない。
なのに、その声色も視線も、感じたことがないぐらいの冷たさで、俺は息を飲んだ。
結局はその不安を、怒りで塗りつぶしたものの、何もスッキリしなかった。
そして、いつもと違うのはエミさんだけではなかった。
気まづい馬車の中ではオスマンが、
我々国に帰ればコネシマとシャオロンが、
あのパーティに行った全員が、いつもと違った。
俺が何をした…?
エミさんの言葉を思い出す。
俺の言動…?
俺は、メリル王女に必死で何を言ったのかほとんど覚えていなかった。
何を言った?
あいつらの気に触ること……一体何を……
鬱「あれ?
トン氏やん。
こんなところで何してるの?」
悩みながら廊下を歩いていれば、前から歩いてきた大先生が話しかけてきた。
その隣にはひとらんが居る。
『あ…大先生とひとらん……』
ひと「A様はあっちだよね?
行かなくて良いの?」
鬱「あ、確かに。」
……なにかと思えば…
『…なんで俺があいつのとこで居なあかんのや。
そんな事よりも、もっと大切な事が…』
鬱「そ、そんな事…?
トン氏、いくらなんでもそれは酷くない?」
ひと「…何かあったの…?
相談ならのるけど…」
『……なんか知らんけど……昨日パーティに一緒に行った奴らが怒ってんねん…
俺……なにをしたか全然分からんのや……』
鬱「…トン氏…それは…」
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向日葵(プロフ) - すみれいんさん» 同じ文でも、何度か読むとやはり違見解が出来て、話が広がりますよね!更新の方は遅れていて本当にすみません!m(_ _)m (2020年1月11日 14時) (レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 今更新されているところまで読んでからここに戻って1から見るとまた見方が変わっていいですよね。こう…捉え方が変わってきます!! (2020年1月6日 15時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - きのこ(em推し)さん» 返信遅れてすみません!m(_ _)m面白いと言っていただけてとても嬉しいです!応援もありがとうございます!♪( ´▽`) (2019年10月6日 13時) (レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(em推し) - 面白かったです。応援してます。続編行ってきますw (2019年10月3日 11時) (レス) id: 4906f728aa (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - hasuki-さん» お祝い有難うございますっ!!とても嬉しいです!♪( ´▽`)夏休みに入ったので、おそらくペースがもっとあがる“かも”しれません!(あくまで“かも”です(・・;)) (2019年7月20日 13時) (レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
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