雑誌 ページ44
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プロポーズされたら、とCMで何度も見かけた雑誌。特に気にとめたことはなかったけれど今回は付録が可愛すぎてついつい買ってしまった。300円の安さでこんな可愛いものが手に入ってしまっていいのか?と困惑しつつも一応雑誌にも目を向けようとはらりと開く。
「えっ、」
突然大きな声が響き、顔を向けると驚いた様子の彼が立ち尽くし目を何度も瞬かせていた。
「あー……その、なんかごめん?」
急かしているように見えてしまったかなと思いそう声をかけるとたどたどしく彼が隣に座った。
「俺以外からプロポーズされたん……?」
「は?」
まさかそう来るとは思ってなかった。この雑誌を付録目当てに買う人がかなりいることを知らないのかこいつは。
「いや、これ」
さっと付録を差し出すとそれをまじまじと見つめた彼はあー、と納得したような表情を浮かべた。
「因みに2冊買ってしまったりしてます……」
読む?とおずおずと付録目当てについ買ってしまった2つ目を差し出すと盛大に失笑された。
「オタク癖出てんで?」
「うるさうるさ」
強引にその雑誌を押し付けるとパラパラと捲っていく彼。少しばかり真剣な表情に思わずドキリとしてしまった。
「ん、ここええな」
そんな声とともに式場の写真を見せられる。ステンドグラスの綺麗な式場。まさにザッて感じで感嘆の声が零れた。
「好きやろ?こういうの」
「……うん、まぁ」
なんだか好みを見透かされているのが嬉しいような恥ずかしいような。よく分からないまま返事を返す間もぱらぱらと音を立てて雑誌を読んでいた。読み終わったのか机に雑誌を置いた彼の視線がちらりとこちらに向く。
「ま、こういうのは雑誌といくら睨めっこしたところでしゃーないなぁ」
「そう、だね?」
それはそうだけど彼の表情からして何かしら企んでる、というかなんというか何かしらを考えているのは分かるが───意図を推量ることが出来ず、よく分からないまま返事をすると彼はそんな私の表情を見て小さく笑い、頭を撫でてから防音室へと消えて行った。
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潮田 陽菜(プロフ) - senkun1003さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました😊何度も読み返すほど気に入って頂けてとても嬉しいです(_ _*))こちらこそ素敵なコメントありがとうございます(*ˊᵕˋ*) (2022年11月16日 12時) (レス) @page48 id: 68f958ed6b (このIDを非表示/違反報告)
senkun1003(プロフ) - 潮田 陽菜さん» リクエスト答えて下さりありがとうございます😭凄い好みで何度も読み返してます😭素敵な作品をありがとうございます😭 (2022年11月15日 23時) (レス) id: 354fb7ca1c (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - senkun1003さん» コメントありがとうございます!!3次元に近い感じをイメージして書いてたので汲み取って頂けてとても嬉しいです(*^^*)リクエストありがとうございます!是非書かせて頂きますね!! (2022年11月14日 9時) (レス) id: 68f958ed6b (このIDを非表示/違反報告)
senkun1003(プロフ) - 思いました! すみません、書きたいこと沢山になってしまい長文失礼致しました。可能でしたらリクエストの方よろしくお願いします! (2022年11月14日 2時) (レス) id: 354fb7ca1c (このIDを非表示/違反報告)
senkun1003(プロフ) - (センラさんが遠征で居なくて寂しかった時の上着をぎゅってしてるところとかからそういうイメージを持ったので)で、そんな夢主にあまり得意では無いサプライズを計画して1日沢山笑わせて甘々してくれるセンラさんを見て、もっと甘えてええんやでって言われたいなぁと (2022年11月14日 2時) (レス) id: 354fb7ca1c (このIDを非表示/違反報告)
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