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また、という言葉は嘘ではなかったようで。あれから頻繁という程ではないが程々にメッセージが届いた。やれ買い物に付き合えだとか、やれメンバーのプレゼント選びを手伝えとか。どうしてこうなったのかよく分からないまま全ての誘いに乗り、やっと理由も無しに遊びに誘われるようになった。​そんな初めてのデートらしきデート。浮かれてはしゃいで気合を入れて昨日1日かけて服を選んで、メイクを選んで。そんな日に、突然スマホが震えた。なんだなんだと視線を向けると表示される友人の名前。



「電話?」


「はい、すみません……」


彼の言葉に謝ると笑顔と気にせんから出な?という言葉が帰ってくる。お言葉に甘えてお礼を言ってからスマホを耳に当てた。


「A!!!」


聞こえてきた耳を劈く叫び声に思わずスマホを耳から遠さげた。そして驚いたような瞳が視界に入る。それにぺこぺこと頭を下げつつどうしたの、と問う。


「どうしたのってアンタ大丈夫なの?気づいてないの?」



「なんの事??」


一気に捲し立ててくる友人の言葉に全く心当たりはない。特に何か彼女に心配されるようなことはなかったはずだ。



「……Twitter見てないの?」


絶句したように沈黙を続けていた彼女からそんな言葉が飛び出てきた。どういうこと、と問う前に電話はプツリと切られてしまった。慌ててTwitterを開く。トレンドに乗る志麻さんという文字になんだか嫌な予感を感じながらその文字にそっと触れた。すると飛び込んできたのは一番最初に出た話題のツイート。思わず目を見開き、無言で彼にスマホを突き出した。



「……!!」


すると彼も同じような反応を見せ、固まってしまった。そこにはどこからどう見ても私たちが写った写真がツイートされていた。そこに記された文章は所謂恋人いたんだとか、キスしてたところ撮っちゃったとかそんな感じ。確かに、キスしてるように見えなくもない写真。


「キス、なんてしてないのに!!」


「ちょ、落ち着いて。声大きいから」



思わず声を荒らげるとそう落ち着かせようとしてくる彼。何故そうも落ち着いていられるのか。一大事じゃないか。

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設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船 , 志麻   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:潮田 陽菜 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年3月29日 4時

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