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Aside




閉店まであと1時間。ぼんやりと推しのことを考える。この前のライブ素敵だったなぁ、とか。自撮りが相変わらずイケメンだったなぁ、とか。そんなことを考えているとふらりと人影が目に入った。





「いらっしゃいませー」





ほぼ反射でそんな言葉を呟きながら客の顔を見ようともせず無心でレジを打つ。突然、ふわりと何だか嗅ぎ覚えのある匂いがして顔を上げるとそこには推しそっくりの人が立っていた。いやいや、そんなまさかね。マスクしてれば似てる人いくらでもいるよね







「800円になります」



「じゃあ1000円で」





そのお札を受け取ろうとした時に聞こえてきた声で思わず動揺し、ひらりとお札が零れ落ちた。





「失礼いたしました!!」





慌ててそのお札を拾いレジに突っ込む。バクバクと動悸が止まらない。素早く200円をレジから引っつかみ、レシートが出てくる時間さえも惜しく感じた。





「200円お返し致します。」



「ありがと」





すると彼はひょいと200円だけ財布にしまった。レシートはいらないのかな、と捨てようと手を伸ばすとちょっと待ってと声をかけられる。慌ててその手を引っ込めると彼は何故かボールペンを取り出し、サラサラと何かを書き殴り私へと押し付けた。







「君可愛いから俺のLiNEあげるわ」





「!?え!?えっ!?」





ちょっと待って志麻さん!と声をかけた時には彼はもういなかった。まぁ、貰ったものは仕方ないのでポケットにしまった。

*→



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設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船 , 志麻   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:潮田 陽菜 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年3月29日 4時

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