第3話 記憶 ページ4
『今日からこちらにお世話になります…Aです』
「Aちゃん、ね。もう儂はおじいちゃんだから、名前を間違えてしまったらごめんね」
『い、いえ、名前を覚えて頂くなんて…!』
『旦那様、先程の仕事を終了しました』
「おぉ、早いねぇ、仕事のできる偉い子だねぇ」
『み、身に余る、光栄です…次はなにをしますか?』
「ん?いやぁ、今日のAちゃんの仕事はあれだけだよ、ゆっくり休んで…うん、儂とお茶でも飲んでのんびりしようか」
『え!?』
「そんなに畏まらくていいんだよ、もうAちゃんは家族だからね。お父さんって、思ってくれて…いっそ呼んでくれたっていいんだよ」
そんな、そんな、旦那様。
貴方は一体どれだけ私に下さるんだろう。
貴方は一体どれだけ私を満たしてくれるのだろう。
ねぇ、本当は、1度だって呼んだことはないけれど、本当は、貴方を_________
_あ、れ…?
ふと目が覚める。
_私は、映画でも見ているのだろうか。
大きな映像が、目の前に広がる。
誰かがこちらに手を振ったりして、心配そうに見ている。
_何だろう、何かの映画だろうか。旦那様と見に来たのだっけ
旦那様、と……
大きな映像の端の端、血塗れの手が映っている。
嫌な予感がして、そっちを見れないかと首を振ると
_え、
視界が動く。
違う、これは、映画でもなんでもない、これは
私が見ている
【うわぁああああっ!!】
叫び声が突然聞こえて、旦那様から目を移すと、私を心配していた人に鋭い爪が伸びている
これは、まさか
『ッ何してる!!!!』
瞬間、意識が浮上して自分の腕を必死に抑える。
やはりこの人を襲おうとしていたのは私の手だった。
深い意識の底から、何かの映像のように見ていたのは私だ。私に見えている何かを俯瞰的に見ていた。
『ぅ、うぅっ!』
信じられない力だ。そして何より
これは私が動かしてるんじゃない!
『なん、なんだよっ!これ!!』
「お、おい、大丈夫なのか、あんた」
おじいさんが話しかけてくる、視界に、嗅覚に、旦那様の血が、
思考が停止する
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いーさん(プロフ) - 満月雪兎さん» すみません、返信遅くなりました。ありがとうございます!頑張りますね! (2019年8月20日 19時) (レス) id: 4740787582 (このIDを非表示/違反報告)
満月雪兎(プロフ) - 『父を殺した者への復讐を誓う』というところが滝夜叉姫っぽくて好きです。更新頑張ってください! (2019年8月11日 12時) (レス) id: 5acf868e91 (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます!頑張らせていただきますね! (2019年8月8日 21時) (レス) id: 4740787582 (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 甘空さん» コメントありがとうございます!そう言って貰えるととても嬉しいです!応援に応えられるよう頑張りますね!いえいえ!本当にありがとうございます! (2019年8月8日 21時) (レス) id: 4740787582 (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - 面白かったです。涙腺が崩壊しました。応援しています。頑張ってください。 (2019年8月8日 5時) (レス) id: 16a7c15423 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いーさん | 作成日時:2019年6月4日 23時