第11話 始まり ページ12
『で、どうするんですか?どうみたって私の体はあの籠に収まりませんよ』
「あ、うんそれなんだけどね」
しんと静まり返った空気に居た堪れなくなったAが話を切り出すと、それに善逸は一瞬遅れて反応してえーとねっと話し出す
「その、君と同じ子がいるって言ったでしょ?その子も日に当たれなくて、これくらいの木箱に入ってお兄さんに背負ってもらってるの」
『え、新生児ですか?』
「いや、Aちゃんと同じくらいの子だよ。なんかね、鬼になった人は体のサイズくらいなら自由に変えられるみたいだよ」
善逸がこのくらいと両手で空中に描けば、Aが訝しげに答えて、それに善逸が小さく苦笑する。
鬼、なんてお伽噺であればまだしも、現実には噂にも聞いた事がないAからしてみればそれだけで信じられない話だろう。
『サイズを…どうやって、とか聞いてますか?』
「いや、それがその子はAちゃんと違って話せないんだよ、猿轡をくわえているし、行動も年相応じゃないっていうか」
『えぇ、猿轡…私も噛まされるんですか…』
「えっ、いや、どうだろう、お館様とか柱が決めると思うけど」
取り敢えずなれないかな?こう、イメージしてみて!と善逸が無理難題を突きつけると、Aは困ったように眉を寄せて、なんとなしにイメージする
身体を圧縮させる…は、違うかな…子供を、イメージして
目を閉じてうんうんと唸る。
軽くやっていたものがいつしか両手を拳で握って、眉はいっそうシワを刻んで、額の血管が浮き出ている
いや、無理でしょうこれは、子供になるって、小さくなるって、いくらこんな変な体でもそんな魔法みたいな_________
「できてる!!」
『_えっ』
「できてるよ!Aちゃん!」
善逸さんの声で目を開けて、自分の手を見ればいつもより幾分小さな手
子供…え、子供!?
『ほっぺぷにぷに…』
「意外とマイペースだね…」
混乱のあまり、頬を抓って確かめたAの口から出た言葉に善逸がさらに苦笑する。
「じゃあ、行こう…これから逢う人達は鬼に強い憎悪を抱いている人たちだから、君を知らないままにひどい言葉を浴びせるかもしれない」
『……わかってます…危うく人を殺しかけた身です…ああやって、殺した人がいて、大切な人を殺された誰かがいるんでしょう…』
「…それでも俺が守るから」
『……頼りにしてます』
俺凄く弱いけど、君より先に死んじゃうかもだけど、と付け足す善逸に、Aがフッと笑う。
善逸さん……
それ、とても蛇足です。かっこぐらいつけてみせてください。
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いーさん(プロフ) - 満月雪兎さん» すみません、返信遅くなりました。ありがとうございます!頑張りますね! (2019年8月20日 19時) (レス) id: 4740787582 (このIDを非表示/違反報告)
満月雪兎(プロフ) - 『父を殺した者への復讐を誓う』というところが滝夜叉姫っぽくて好きです。更新頑張ってください! (2019年8月11日 12時) (レス) id: 5acf868e91 (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます!頑張らせていただきますね! (2019年8月8日 21時) (レス) id: 4740787582 (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 甘空さん» コメントありがとうございます!そう言って貰えるととても嬉しいです!応援に応えられるよう頑張りますね!いえいえ!本当にありがとうございます! (2019年8月8日 21時) (レス) id: 4740787582 (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - 面白かったです。涙腺が崩壊しました。応援しています。頑張ってください。 (2019年8月8日 5時) (レス) id: 16a7c15423 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いーさん | 作成日時:2019年6月4日 23時