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２５９話：決心 ページ37
隣の部屋から声が聞こえる。この声…烏天狗？
貴方「烏天狗…！大丈夫！？」
烏天狗「う、うん、こっちはみんな大丈夫だよ。A、怪我してない？」
貴方「私も大丈夫よ…。でもどうしよう……」
烏天狗「どうしたの…？」
部屋へ繋がる扉は変形して出られないし、
廊下へ繋がる扉の前には箪笥が倒れている。
きっと私が動かせるものでは無い。
ここは1階だから、障子をあければ出られると思ったが、外には何故かさっきまで居なかった鬼が居る。
貴方「烏天狗…どうしよう………閉じ込められちゃった…。」
烏天狗「…絶対に障子から外に出たりしないで。僕達で何とかするから、Aはそこに居て。」
貴方「うん…、でも私も出られる方法探したい…。良い…？烏天狗…」
烏天狗「…ダメ、動かないで。」
貴方「お願い…！じっとして居られるわけないじゃない…！」
烏天狗「……何度言ってもダメなものはダメ。」
貴方「烏天狗！ねぇ！」
それから何度呼んでも烏天狗の声は聞こえなかった。
貴方「…」
障子のすぐ向こうには鬼がいる。
開けられたら終わり。
私は物音を立てないように、
部屋の中を見て回った。
何か、役に立つものがあるかもしれない。
長い髪を高い位置で1つに結び、
簪をさして、
紫色の羽織を床に投げ捨てた。
棚から出てきた小刀を懐に入れて、
背中の傷の痛みに負けじと立ち上がった。
貴方「私はもう……守られるだけの自分でいるのは嫌。」
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年8月25日 14時
