243話:鬼になるとき ページ21
カルラはあの後、私の手を握ったまま眠ってしまった。
私はカルラを、自分が寝ていた布団に寝かせ、
隣に正座した。
カルラの長い髪が、1人用の布団からはみ出して、フワッと広がっている。
貴方「カルラ…、目の下が黒い……。眠ってなかったのかな……。」
人間界も妖魔界もこんな感じでは
いつ鬼に襲われるか分からないもんね。
安心して寝れるはず…無いよね。
貴方「っ………」
カルラの頬の髪をサラッと撫でた時だった。
喉が酷く焼ける様な熱さを感じて
息が苦しくなった。
貴方「ぐっ……ぁ…………あ゙っ……!?」
カルラを起こすまいと、声を抑えようとするが、痛みが尋常じゃない。
悶えながら、ふと部屋の片隅にある鏡に写る自分が目に入った。
それはそれは恐ろしい姿だった。
人間なのに、角が2本生え
尖った牙も見える。
貴方「これ………が……わたし……かぁ………」
自分の姿への絶望か、
喉の痛みが原因なのか。
私はボロボロと涙を流した。
貴方「あ゙………う…………ゔぅ………」
大ガマと土蜘蛛も、こんな痛みと闘っていたなんて。
とにかく、物音を立てると
せっかく休んでいる3人が目を覚ます。
私はフラつきながら
やっと思いで白虎の間から出た。
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年8月25日 14時