210話:室町後期の悲劇 ページ32
ーカルラsideー
まさか、あのキュウビが人間の女を使って伝達してくるなんて思いもしなかった。
それにしてもこの女、“あの女”と本当にそっくりだな……。
烏天狗が言うには、その女は室町後期に死んだらしいけど。
それに、あの女は人間のはずなのに
妖気を感じるし、その妖気は普通の妖怪とは異なる。……あの異質な妖気、一体なんなんだろう。
確信はないけど、あれはもしかして“_”の妖気か……?
でも人間に適合する……?
わからないな……。
とにかくキュウビの所まで案内させよう。
ー貴方sideー
カルラは不本意だろうけど、キュウビと話すためについてきてくれた。
キュウビはとても驚いていて、まさか人間がカルラを諭すなんてと笑っていた。
貴方「ねぇ、キュウビ。教えてくれるんでしょう?室町後期の悲劇を。」
キュウビ「仕方ない、約束だったしねぇ。良いよ、教えてあげる。あれは……そうだなぁ、僕が閻魔大王の宮へ仕えた時の話。」
キュウビは静かに話始めた。
カルラと烏天狗もキュウビの話に耳を傾ける。
キュウビ「平和だった妖魔界に突如、鬼と呼ばれる集団が攻め込んできた。その中心にいた妖怪は、黒い太陽“空亡”と言われている。
鬼は数百年以上前に滅んでいたとされていたが、一部の妖怪に鬼の血を受け継ぐ者達がいた。」
それは……大ガマや土蜘蛛の事かな。
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月14日 0時