190話:取り押さえ ページ12
烏天狗「A!」
長い廊下を曲がると、烏天狗と鉢合わせた。
貴方「烏天狗……!」
烏天狗「大丈夫だった!?どこも怪我とかしてない……!?」
貴方「う……うん、それは大丈夫……」
烏天狗「向こうはもう鬼が来てるんだ。別の道から外に出よう。それにこの妖気……」
貴方「何かあるの……?」
烏天狗「これは……“普通の妖気”じゃない…。」
貴方「どういうこと……?」
烏天狗「……世界の、終わり。」
貴方「え……?」
烏天狗の顔を見たら、その言葉が嘘や冗談ではない事実なのだと思わされた。
もし……もしこの世がここで終わったら、
私の……みんなの未来はどうなるの……?
正しい選択は出来るのかな。
烏天狗「とにかく外に出よう。」
烏天狗に手を引かれて、私達は宮の外まで走った。
途中、何匹もの妖怪が倒れ、
遠くで暴れる音、悲痛な声が聞こえてくる。
耳を塞ぎたくなるような空間だった。
貴方「うっ……」
烏天狗「Aっ…!大丈夫……?」
外に出た私は、胸の痛みに襲われた。
今回のものは、今までの痛みとは違い
息苦しさも混じっている。
走ったから、と言うだけでは無いと思う。
もう、この身体は……。
烏天狗「っ!」
貴方「……!?」
私が胸の痛みに耐え、烏天狗が傍で待っていてくれているのを見計らったように、『鬼』と呼ばれる妖怪が襲いかかってきた。
烏天狗は技で抵抗したが、
私には抵抗する術はなく、取り押さえられる他なかった。
烏天狗「A!!」
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月14日 0時