１４ ページ14
橋本said
学校からの帰り道、いつものように瑞稀と並んで帰ってる。
いや、いつも通りではないな。お互いに昔のことを思い出してる。
「なんか演じるって懐かしいな。」
瑞稀「そうだね。昔は毎日のようにしてたのにね。」
「瑞稀はさ、またやりたいとか思ったりするの？」
瑞稀「俺はもうあの世界にはいかないよ。もう…。」
「だよね…。」
俺と瑞稀は世にいう天才子役的なやつだった。
毎日のように演技をして、いろんなドラマや映画に出演してた。
あの時は演技することが純粋に楽しかったし、きっと瑞稀もそうだったと思う。
瑞稀「でもさ、こうやって学園祭の演目として演技するのも悪くないね。」
「瑞稀、俺は瑞稀とまた演じることができるのは嬉しいよ。」
瑞稀「俺もだよ。」
俺たちはもうあの世界に戻ることはない。きっとできない。だからこそ、学園祭という場で演技ができるのは結構嬉しかったりする。
瑞稀「でもさ、みんなに言わなくても良かったんじゃない？」
「俺もポロっと言っちゃったんだよね笑。言うつもりなかったもん。」
瑞稀「そんなことだろうと思ってたけどさ…。」
「みんなに見られるのが怖い？」
瑞稀「…。」
俺と瑞稀があの世界から離れた理由。それはドラマの映像として残っている。
監督にとってはただの迫真の演技、でも俺らにとっては…。
瑞稀はきっとあの映像をみんなに見られるのが怖いんだ。
俺だって怖いんだもん。
でも、あの映像はきっとみんなでは探すことはできないと思う。
だって、俺も瑞稀も芸名だったし小学生の頃の俺らなんてきっと見つけられないから…。
瑞稀「橋もっちゃんは甘いよ。」
「え？」
瑞稀「多分見つかる。」
「見つけられるとは思えないけどね。」
瑞稀「作間。」
「作間？」
瑞稀「あいつは多分見つけちゃうと思うよ。でもみんなには言わない。そういうやつだから。」
「そっか…。」
瑞稀の言うように作間が見つけたとしたら、きっと気づくんだろうな。
あの映像がただの演技じゃないことに。
俺と瑞稀の心の叫びだと言うことに…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 244人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みこ - こちら読んでいただけたら嬉しいです。https://note.com/houkouonchi/n/nb6f6503a141a (2020年4月19日 9時) (
レス) id: e91e80486d (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - あいずきさん» ありがとうございます (2020年2月12日 21時) (レス) id: 5a5ae08950 (このIDを非表示/違反報告)
あいずき - 初コメント失礼します!とても面白い作品で気に入りました!続き頑張ってください! (2019年6月5日 20時) (レス) id: 4ca41edc54 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - あおそう＊さん» ありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです。 (2019年4月2日 0時) (レス) id: 52483f105f (このIDを非表示/違反報告)
あおそう＊ - はじめまして！いつも楽しく読ませていただいてます！とってもおもしろいです！！これからも更新頑張ってください！応援してます！* (2019年4月1日 22時) (レス) id: d0a941ade0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：lemon | 作成日時：2019年3月24日 17時
