【wrwrd!】半分不死身のバケモノは軍人になった。(男主)

＊アカシロ戦争…3 ページ6

しんどい。

手練れがいるとは予想してたけど此奴は予想以上にタフな相手だ。

今対峙している金髪で跳ねた毛が特徴的な空色の瞳の男はさっきから疲れた様子が全く見えない。それどころか楽しそうに口角を上げている始末だ。それだけでなく、剣術自体も並大抵のニンゲンの比じゃない。荒々しさの中に洗練された一撃を正確に放ってくるその戦い方はこの男の性格を表しているようだった。
困った事に、俺は死なないだけであって体力が底無しなわけでは無い。


「ぁ…っ！？」


疲労からきた注意不足のせいで足元の大きな窪みに気づかずバランスを崩した。その一瞬を目の前のコイツが見逃す訳も無く。ザクリと腹を貫かれる感触といつになっても慣れない痛みが俺を襲う。


「っしゃ！！やりぃ！！」


そのまま男と縺れるようにして窪みに転がり、仰向けに倒れる。


「はははは！観念したかぁ！！」


嬉しそうだな、コイツ。でも、

仰向けに倒れたまま、腹に刺ささりっぱなしの剣を掴み、奥歯を噛み締め力一杯引き抜く。みるみるうちに修復していく傷を見て水色の双眸がこぼれ落ちそうなほど見開かれるのを、少し愉快な気持ちで見ていた。

大概この後に続くのはバケモノ、だとか気持ち悪い、とかと言った罵倒なんだけど、目の前のこの金髪の表情と言葉は余りにも予想外過ぎて、俺の頭を真っ白にさせるには充分だった。



「…見つけたっっ！！！」



「…はぇ？」

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