検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:118,963 hit

*好きなもの…5 ページ23

トン「ここウサギまで売っとんか…」

シャオ「せやな。どうしたん?」

A「…好き」

トン「んっ?」

A「めっ…ちゃ可愛い…ッ!!」


凄く嬉しそうな顔でそう言って、ウサギを両手で差し出してきた。


トン「い、いやぁ〜Aさん?さすがに生き物はどうやろなぁ…」


焦って視線を泳がすが、あの特徴的な瞳を目一杯にキラキラさせられるとどうも…
言い淀む俺に続く形でシャオロンが言った。


シャオ「可愛いけど、うちは一応軍やしアカンのとちゃうかな?一応飼育小屋はあるけど馬か軍用犬しかおらんしなぁ」

トン「そ、そうそう!ウサギが役に立つとは聞いたことあらんしなー」


ナイスシャオロン。危うく流されるとこやった。
それでもAはやっぱダメ?と少し首を傾げて聞いてくる。いやー、あざといですねぇ…


トン「…でもさ、僕たちは軍人ですやん?いつ何が起こるかもわからん身やろ。」

A「俺死なねーし」

トン「黙って聞けや!…つまり、戦いに出とる間は誰が世話するん?みんな忙しいで?ただのペットにそんな手間かけられんやろ。」


少し厳しいようだが、これが現実だ。今は余裕があってもAだってすぐに仕事で忙しくなる。ペットなんて飼う暇もないだろう。


A「………うん、そうだね。…ワガママ言ってごめんな。考えが甘かった。」


そう言ってAは素直にウサギを元のケージに戻し、その場にしゃがんでそっと撫でた。
彼がやっと見つけた好きなものを自分が取り上げたという罪悪感が、チクリと胸を刺した。


シャオ「そのかわりと言っちゃなんだけどさ、こんなのあったけど?」


さっきまで口を挟まなかったシャオロンがおもむろにしゃがんでいるAの前髪に手を伸ばす。


A「わっ!」

パチン

軽い音がした後にシャオロンはよし!と声をあげ、Aの腕を引っ張り近くの姿見の前に連れて行った。


シャオ「ど?」

A「これ…」


姿見には、真っ白な前髪にウサギのピン留めを軽く留めたAが映っていた。


A「え、えぇ…俺には可愛すぎない?」


恥ずかしそうにこちらを見ながら聞いて来たので、素直に似合ってるといってやれば益々顔を赤くし目を伏せた。


コネ「お!おった!…ん?なんそれ?」

シャオ「これか?これな…Aの好きなもの!」


揃って首を傾げるコネシマとロボロにAから帰りの電車で補足が入り、当の本人は結局気に入って毎日つけるようになったのが今回のオチ。

*青空→←*好きなもの…4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (77 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
202人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

闇音 - UPZはエーミール教授が働いて?いる大学の名前ですよ。エーミール教授が教えているのはパk学です。 (2017年7月27日 23時) (レス) id: f267177af2 (このIDを非表示/違反報告)
闇音やみぃ(プロフ) - *衣装の夢主さんの会話カッコ名前変換されてません。 (2017年5月28日 17時) (レス) id: efba8b3959 (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - 妖怪波姫さん» わわ、本当ですね…すみません直します!! (2017年4月29日 19時) (レス) id: f3b38bb195 (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - 気ままな猫丸さん» すみません直させていただきました!ありがとうございます!! (2017年4月29日 19時) (レス) id: f3b38bb195 (このIDを非表示/違反報告)
妖怪波姫(プロフ) - UPZ大学のZが、Gになっていると思います とても面白いです 更新応援してますd(^_^o) (2017年4月29日 8時) (レス) id: e7428f1fb8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:サクヤ x他1人 | 作成日時:2017年3月18日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。