*初めてのお菓子 ページ18
薄力粉、牛乳、コーンスターチ、砂糖、その他諸々。卵は卵黄と白身に分けて混ぜ合わて、メレンゲ状の生地を作る。それと同時進行で生クリームを泡立て、トッピング用のフルーツをカットしていく。大先生の手によって手際よく作りあげられるお菓子は、まるでいつか読んだ絵本の魔法みたいでとても胸が躍った。
弱火でじっくりと焼き上げ、皿に移す。
気がつけば甘く芳ばしい香りが辺り一帯を包み込み、支配していた。
A「うまそ…」
鬱「やろ?んじゃトッピングはグルちゃんらと同じでええな」
そう言って生クリームを焼きたての生地に乗せ、カットしたフルーツを散りばめる。その上から更にチョコレートソースを掛ければ、
鬱「はい、鬱特製パンケーキの出来上がり〜」
まるで宝石のようにキラキラしたお皿を食堂の机に置き、大先生に促されるままその席についた。
A「…ハッ、俺殆ど何もしてなくない!?」
鬱「せやなwまあ別にええけど…。ハイハイ、冷めないうちにドーゾ。」
こんな宝石を前にそう言われて拒否出来る訳がない。それじゃあお言葉に甘えて、とフォークを手に取りパンケーキを切り取った。ふわふわの生クリームとツヤツヤとしたチョコレートソース、カットされた苺とともに口に入れる。
その途端、今までに味わったことのない柔らかな食感と甘さが口内いっぱいに広がった。
生クリームとチョコレートがあるぶん生地は甘さが抑えられ、更に苺の甘酸っぱい果汁がいい感じに混ざり合っていて絶妙に美味しい。
思わずパンケーキと大先生の顔を交互に見てしまう。
鬱「そんな美味しかった?」
尋ねられコクコクコクと何度も頷く。だって、あまりにも美味しすぎて言葉が出なかったから。
そんな俺を満足そうに眺め、彼はグルッペンとオスマン、二人ぶんのパンケーキを手に食堂を後にしようとする。
鬱「あ、僕も後で食べるから大皿に残ってるやつ残しといて!」
廊下から顔だけ覗かせそう言う大先生に了解と返事をし、二口目を口に頬張った。うん、やっぱりめちゃくちゃ美味いです鬱先生。
一口食べるたびにふんわりと心が温まるのを感じる。
A(幸せって、こんな感じなのかなぁ)
ぼんやりと、そう考えた。
この後腹を空かせて帰ってきたコネシマとシャオロンに言いくるめられ、Aも一緒になって残りのパンケーキを全部食べてしまいもう一回自分用のお昼ご飯を作る羽目になった大先生に叱られたのはまた別の話。
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闇音 - UPZはエーミール教授が働いて?いる大学の名前ですよ。エーミール教授が教えているのはパk学です。 (2017年7月27日 23時) (レス) id: f267177af2 (このIDを非表示/違反報告)
闇音やみぃ(プロフ) - *衣装の夢主さんの会話カッコ名前変換されてません。 (2017年5月28日 17時) (レス) id: efba8b3959 (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - 妖怪波姫さん» わわ、本当ですね…すみません直します!! (2017年4月29日 19時) (レス) id: f3b38bb195 (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - 気ままな猫丸さん» すみません直させていただきました!ありがとうございます!! (2017年4月29日 19時) (レス) id: f3b38bb195 (このIDを非表示/違反報告)
妖怪波姫(プロフ) - UPZ大学のZが、Gになっていると思います とても面白いです 更新応援してますd(^_^o) (2017年4月29日 8時) (レス) id: e7428f1fb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクヤ x他1人 | 作成日時:2017年3月18日 18時