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恋に落ちる音 ページ2

私が彼を好きになったのは、入社してから半年がたった頃だった。

私も兄も仕事場に徐々に慣れてきた頃。

ある時お菓子を作って差し入れに持っていったんだ。
マドレーヌ…だったっけ。

その場の全員に渡し終えたんだけど、
彼だけが居なくて、

うずまきにもいないから何処だろうって思ったけど

屋上に行ってみれば、1人で佇んでいて。

それを見て私は とても、綺麗だと思った。


夕日に照らされて、何処か儚くて……

そんな気持ちを抑え込んで、

私は声をかけた「国木田さん」




彼は振り返って、「なんだ。」
と返してきた。

とてもぶっきらぼうに聞こえたけど、
それが彼らしくて、何処か面白かった。

「お菓子、作ったので良ければ。」


そう言って差し出した。



それをその場で食べたのは驚いたけど。



「うまいな。」



彼はそう言って、笑ったんだ。



無邪気な笑顔。


いつもは大人な癖して子供っぽくて。
とても、可愛らしいと思えた。



「ええ。料理は得意なんですよ?」


と、笑い返した。



「……そうか。却説、仕事に戻るぞ」




そういった彼の唇には、お菓子の欠片が着いていて。




いつも真面目な彼が、そんな間抜けなことをしている事実に、つい大笑いしてしまった。



彼はちょっと困った顔をして

「なにか付いてるか??」

私が間髪入れず

「お菓子の欠片、付いてますよ。」

といったら

彼の反応はとても可愛くて

とったあとに「皆には内緒だぞ」

悪戯っ子みたいに笑ったんだ

とくん。

そんな音が、私から聞こえた気がした。

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ゆう - 続き待ってます! (2019年11月26日 21時) (レス) id: e84ad3cdaf (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - これからこの作品楽しみにしています。ファイトです! (2018年10月3日 18時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:成瀬華夜 | 作成日時:2018年9月19日 20時

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